模試・過去問を解く前に実践したいこと

 解き方の極意とは、過去問や模試を受ける前に、具体的な「行動目標」を設定することです。例えば、

  • 計算ミスをしないようにするために「ひっ算を大きく丁寧に書く」
  • 問題文を読み間違えないように“誤っているものを選べ”“自分の言葉で書け”など「設問の条件に線を引く」
  • 後半の簡単な問題を取りこぼさないように、時間配分に気を付けて、「5分考えて分からなかったら飛ばす」
  • △がもらえるように「途中式を順序だてて書く」

といったものです。

 これから解く過去問や模試の中で気を付けることをあらかじめ決めておき、始まる直前に再確認しましょう。

 たくさんありすぎると忘れてしまうので、多くて3つまでにしてください。1つだけでも構いません。

「目標の立て方」が成績アップの秘訣

 目標は、「具体的」な「行動」の内容にすることが成長の秘訣です。

 具体的でない目標とは例えばどんなものかというと、「気を付ける」「ちゃんと読む」「ベストを尽くす」「意識する」といったものです。こうした抽象的であいまいなことを言っている子はいつまで経っても成長しません

 ですから、お子さんがこうした抽象的なことを言っていたら「気を付けるために例えばなにをするの?」とか「ちゃんと読むためにはどうしたら良い?」と問いかけて、掘り下げさせてあげてください

 また、「80点以上を目指す」とか「偏差値50を取る」といった結果に関しての目標を立てる子も多いですが、これもまたダメなパターンです。そのために何をしたら良いかが明確でなければ、漫然といつも通りのテストの受け方をして、いつもよりも良い結果になることを願うという、まぬけな状況に陥ります。

 うまくいくわけないですよね。

 ですから、子どもが行動ではなく結果に関しての目標を言った場合には、やはり先ほどと同じように、「そのためにどうする?」と問いかけて、やるべきことに意識を向けさせてあげてください

 こうしてあらかじめ決めておいたことを、テストが始まる前に再確認することを習慣化していくのです。

子ども自身が考えて行動を変えるきっかけに

 行動目標を設定すべき理由は3つあります。

 1つ目の理由は、結果を変えたければ、行動を変えていく必要があるからです。いつもと同じことをしていたら、いつもと同じ結果になるのが当然です。どうすればより良い結果になるか試行錯誤していくことで、結果は変えていけます。

 2つ目の理由は、子どもは悪気なく自分の改善点を忘れてしまうからです

「なんで何回言っても問題文に線を引かないの!また読み間違いして!!」そんなふうに怒ってしまう親御さんは多いですが、子どもの方も決して反抗して言われたとおりにしなかったとか、面倒だからサボったとかではなく、問題を解くのに必死で忘れていただけってことは多いんですね。

 それなのに責められると、やる気をなくしたり、親を嫌いになってしまったりします

 こうした事態は避けたいのではないでしょうか。ですから、怒るのではなく、思い出すきっかけを作るようにアプローチしていくのが大事なのです。

 3つ目は、当事者意識の問題です。親や先生から「こうしろ!」と言われるより、「今回はこれに気を付けてみよう」と自分で考えて決めた方が、子どもとしても前向きに取り組めます。

 ですから、ダメなことをこちらが指摘するのではなく、本人に考えさせたいのです子どもが考えるきっかけづくりに徹した方が、子どもの成長は早くなりますよ。

 ぜひ試してみてくださいね。

意識的な行動の積み重ねが結果に差をつけていく

 そして、模試が終わったら、事前に自分が決めた課題がどのくらいできたか、あるいはできなかったかを考えさせてください。

 もしできていなかったとしても、ガッカリしないように気を付けてください。最初のうちはそんなものです。

 次の過去問で、あるいは次の模試で、それを実行するにはどうしたら良いか、また考えてチャレンジをしましょう。繰り返すうちに徐々に、テスト中に意識できるようになっていきます。

 過去問を解くと合格点が取れたかどうかが気になってしまうと思いますが、気にしないように努めましょう。まったく気にしないのも良くないのですが、多くの親御さんは「ちょうど良い」加減ではなく、「気にしすぎ」なことが多いです。模試の偏差値も同じく、「気にしすぎ」なことが多いので、気にしないように努めてください。

 結果は行動の積み重ねの先にしかありません。点数や結果よりも、行動に意識を向けましょう

 毎回テストの前に自分の課題を考えて、実際にやってみて、実行できたか振り返って、そしてまた課題を考えて次にチャレンジ。こうしたことを繰り返していく子は必ず結果も良くなっていきます。

 この「自分の課題」は当たり前ですが、子どもごとにバラバラです。ですから、集団授業で全体に向けて先生が何か言ったとしても、「自分には関係ない」と思ってしまう子が多いです。実際に関係ないこともまた多いです。

 ご家庭で親御さんがその子に合わせて、一緒に考えてあげるからこそ効果的なことです。実践すれば、何も考えずに漫然と過去問や模試を受ける子とは格段の差がついていきますよ。

 ぜひ次回の過去問・模試からやってみてくださいね。

 それでは。