塾の先生の心をつかむ
コミュニケーションの取り方

 親のメンタルコントロールについて渋田氏は「受験の悩みや不安を全て親が抱え込むのではなく、塾にアウトソーシングする姿勢が大事」と語る。

 ただし、これができるのはある程度信頼できる相手に限られるだろう。何かあったときにすぐに対策を講じられる状況をつくっておくためには、普段から相性の良い先生と会話を重ねて、コミュニケーションを取っておきたい。

 では、どんな話題がいいのか。おすすめは、子どもの普段の様子を塾の先生に伝えることだ(下の図2)。

イラスト=いなばゆみ

「学校や家庭での何気ないエピソードから、子どもの性格や、親が子どもにどのような関わり方をしているのかをつかむことができる。子どものやる気を奮い起こす『一言』は勉強でないところにあったりする」(渋田氏)

 中学受験で塾は、合格を目指して親子と二人三脚で進む大切なパートナーだ。その力を最大限活用するには、家庭でしかできないこと、塾でしかできないことをすみ分けて上手に向き合っていこう。「どういう子に育ってほしいか」は家庭でしっかり考え、塾には教科のプロとしてサポートをしてもらう。

「向かい合うのではなく同じ方向を向くイメージ」(渋田氏)で足並みをそろえて合格に突き進もう。