「説明の根拠」を聞いて
より深く学校生活を知る
──中高一貫校ならではの利点はどう深掘りすればいいでしょうか?
加藤 学校側が説明するカリキュラムの根拠を質問してみるといいですね。ベーシックなのは「3学期制・平日6コマ・土曜日4コマ・数学英語は習熟度別の編成」ですが、それが2期制・週7コマだったらなぜか?など。
田中 英語に関して説明がなかったら、週のコマ数と中3修了時の英検取得目標および達成率は確認しておきたい。週7コマ、中3で準2級はマストでしょう。私学に入れるからにはこれくらいのメリットがなかったら、コスパ悪いと思った方がいいです(笑)。
栗原 手厚い補習や中3に高1の授業を組む先取り学習も中高一貫の強み。説明がなければ聞いてもいいですね。
加藤 高校募集をする学校の場合、高校のクラスは高入生と内進生が混ざるのかどうかは確認したい点です。高校募集の有無はホームページを見れば分かるけれど、クラス編成は質問しないと分からないこともあるので。
栗原 うちは高校募集ありですが、クラスは混在せず、内進生は中高一貫カリキュラムを継続します。
田中 高1は混ぜないけど、高2、高3は混ぜるという学校もありますよね。
加藤 どちらも良し悪しがある。混ぜるならそのメリットを聞いて、納得できたらそれでいいと思います。
──大学の進学状況はやはり、保護者の関心度が高いですか?
田中 もちろん、進学実績ありきですね。カリキュラムがいくら面白くて特徴があっても、実績がない学校にいたときは見向きもされませんでした。
加藤 学校側が進学状況をどう説明するか注意してください。「合格実績」なら延べ件数か実件数か。延べだったらエースみたいな子が1人で10校に合格すれば10人になります。対して「進学実績」は実際に入学した大学の数なので1人1校です。
栗原 意図的に大きい方の数字だけ出す学校もあるので、両方の実績を聞いてみるといいですね。
──説明会に参加する保護者にメッセージをお願いします。
田中 家庭の教育方針と学校選びの優先事項をはっきりさせておくことが大事。説明会では基本的にいいことしか言わないので、軸がないとどの学校もよく見えて、絞り切れません。
加藤 学校にとって説明会の目的の一つは受験生を増やして定員を満たすことですが、一番の目的はやはり「わが校の教育方針に合う」家庭の子どもに入ってもらうこと。学校と子どもの相性を確認してもらう場として、説明会に足を運んでもらいたいですね。
栗原 説明会に参加した後は、親子で感想を話し合う時間をつくって、子どもの感想をよく聞いてください。