中堅・中位校「受験校選択六つの視点」
松井氏は、次の六つの点を挙げる。
偏差値に基づいて、もしくは偏差値と関係なく、子どもの興味を引くものがある「一番行きたい学校」を見つける
2 通学時間に十分配慮する
受験校決定に最も重要な条件。自宅を出て1時間程度で通学できることが理想
3 共学か別学か、進学校か大学付属校か
中堅・中位校には男子校が少ないので男子は共学校中心。進学校と大学付属校とでは雰囲気が大きく異なる
4 伝統校か新興校か
伝統校は先生や生徒間に家族的な雰囲気がある。新設校や共学化など体制を変更した新興校は改革に積極的
5 理事長や校長の交代を確認
理事長や校長などのトップが代われば、学校の体制は大きく変わる
6 高大連携での大学推薦枠があるか
大学付属でなくとも、高大連携に積極的に取り組んでいる学校は複数の大学に指定校推薦枠を持つ
各項目の内容を詳しく説明してみたい。以下は、松井氏のコメントを引用したアドバイスである。
1 第一志望校は必ず決める
必ずしも偏差値が高い学校が第一志望である必要はない。子ども自身が「行きたい」と思えるものがある学校を見つけることが、受験勉強のモチベーションを保つ根幹になる。
逆に「開成に行ってクイズ王になりたい!」のように、やりたいことがあれば、子どもの実力では難しいと思う学校でも構わない。実際に受験する・しないは直前に決め、保護者はクイズ研究会がある中堅・中位校を探す。「この成績では第一志望校は無理、こっちを受けなさい」という説明では、子どもの成績は絶対伸びない。
子どもがやりたいことを見つけられない場合は、次の[2]~[6]に基づいて保護者が受験候補を探す。各校の特色を子どもと一緒に確認する中で「お父さんやお母さんもいいと言うし、面白そうだしここに行きたいな」という決め方でも大丈夫。
2 通学時間に十分配慮する
いくら偏差値が高く大学進学率も高い学校でも、体力的に通学が無理であれば6年間の学校生活に支障をきたすこともある。そうした意味では、受験校選びで最も重視すべき条件ともいえる。中学1年生にはラッシュ時に1時間30分を要する通学はかなりハードだ。自宅を出てから1時間程度で学校まで着けること、電車やバスの乗り換えは1回までが理想的だろう。学校の最寄り駅から学校までの距離も短いに越したことはない。可能なら、あらかじめ実際の通学時間帯に足を運んで確認してみよう。
