付属校でなくても大学進学率が高い学校を探すには
3 共学か別学か、進学校か大学付属校か
中堅・中位校には男子校が少ないので、男子は共学校中心に受験校を選択、女子は共学校と女子校を組み合わせると選択の幅が広がる。
また、難関大学への進学に重きを置く進学校と、系列大学への進学者が多い大学付属校では、学校の雰囲気がまったく異なる。進学校の学校説明会で勉強と進学の話が8割だとすれば、大学付属校では勉強や進学の話は2割程度、残りは行事や学校生活の説明、というくらい極端だと考えてよい。
4 伝統校か新興校か
校風の違いは、100年以上の歴史を持つような「伝統校」と「新興校」(新設、または、伝統ある別学校が共学化で体制を一新したようなケース)との間にもある。
伝統校には、付属小学校の内部進学者の生徒がいたり、教員として母校に戻ってくる卒業生がいたりと、一種家族的な温かさがある。卒業生の先生に「この学校を卒業した社会人」のロールモデルを見られる安心感もある。
新興校は、伝統ある女子校が2000年代に入って改称・共学化したケースが多い。時代に即した改革への取り組みが早く、国際教育や探究学習といった先端教育に力を入れ、急速に大学進学実績を伸ばしているのも特徴だ。
5 理事長や校長の交代を確認
大学付属以外の私立中高一貫校は、理事長や校長の交代によって校風や進学実績が大きく変わることが珍しくない。学校のホームページでトップの交代の有無を調べる、あるいは、学校説明会(入試直前まで実施する学校は多い)に参加してトップのビジョンや人柄を確認することも、学校を選ぶ上で良い判断材料となる。
6 高大連携での大学推薦枠があるか
大学付属校でなくても、高大連携を積極的に行って、一定の大学に指定校推薦枠を持つ中堅・中位校は多い。例えば、5ページで取り上げる三輪田学園は、法政、津田塾、東京女子の各大学と高大連携を行っており、法政大学には最大30人の協定校推薦枠を確保している。高大連携や総合型選抜による大学進学率が高い学校も多く、そうした視点で受験校を探してみることも重要。
それでは、実際にどのような受験スケジュールを組めばよいか。中堅・中位校の場合、大半が共学校と女子校であるため、共学校は「かえつ有明」、女子校は「三輪田学園」のいずれも2月に入試を実施する人気校を基準に、TOMASの2025年度受講生が作成した同年度の併願スケジュールの例を幾つか見ていこう。
