【低学年向け】中学受験の算数のおすすめ問題集

 小学校3年生までの低学年の間にやっておきたいことは、足し算・引き算・掛け算・割り算の四則演算に慣れておくことです。一般的に、中学受験の勉強が本格的にスタートするのは、塾などで「新4年生」と呼ばれる3年生の2月からになります。入塾前の3年生の1月までを目安に、計算ドリルに取り組んでおくとよいでしょう。また、1・2年生のうちは、子どもが無理なく取り組めるパズル系の問題集もおすすめです。

考える力がつく算数脳パズル なぞぺ~ シリーズ(草思社)

 小学生向けの塾「花まる学習会」で実践されている算数パズル「なぞぺ~」の楽しさが詰まった1冊。未就学児から取り組めるものもあるので、算数の入門ドリルとしてもおすすめです。計算力ではなく、算数脳や思考力を育むもので、他にも「迷路」や「図形」といったシリーズが用意されています。

きらめき算数脳 小学1・2年生(主婦と生活社)

 中学受験塾SAPIXによる「きらめき算数脳」シリーズです。イラストが豊富で、低学年でも楽しく取り組める問題がそろっています。SAPIXというと、難しいイメージがあるかもしれませんが、この「きらめき算数脳 小学1・2年生」はパズルや図形などをテーマにした問題にゲーム感覚で取り組めるため、「なぞぺ~」と同様、算数パズルが好きな子どもに向いています。

くもんの小学生ドリルシリーズ(くもん出版)

 計算力を身につけるためのドリル。数字の書き方から練習できる「1年生 たしざん」からスタートし、「ひきざん」「かけ算(九九)」「わり算」と、シリーズを進めていくとよいでしょう。くもんのノウハウが詰まった自学自習向けのドリルですので、共働きで忙しいご家庭でも手軽に取り組むことができます。「できたねシール」など、子どもの達成感を育む工夫がされています。

最レベさんすう問題集 段階別(奨学社)

 小学1年生から3年生まで段階的に学んでいける問題集。問題を解くことを通じて、文章題を読んで「ここは掛け算を使えば解ける」という算数の考え方を身につけていきます。ただし、名前の通り難しい問題が多く量もそれなりにあるため、算数が好きで積極的に取り組みたいというタイプの子以外は、無理にやらせる必要はありません。

【4年生向け】中学受験の算数のおすすめ問題集

 4年生になると、いよいよ中学受験のカリキュラムがスタートします。塾に通い始めた当初は、塾のテキストをこなすだけで手いっぱいの子どもも多いので、無理なく進めることが大切です。5年生から算数が大変になるため、4年生の段階で小数・分数の計算力をしっかりとつけておきたいところです。

「予習シリーズ 算数 4年上/下」(四谷大塚)

 教材に定評のある中学受験塾四谷大塚の定番シリーズは、塾生でなくても、四谷大塚の公式サイトで購入することができます。4年生で学習する単元に沿って、基礎から学んでいくことができるので、算数が苦手な子どもの副読本としてもおすすめです。さらに、四谷大塚が運営しているオンラインの「進学くらぶ」に別途入会すれば、「予習シリーズ」を解説する「予習ナビ」「復習ナビ」で勉強することができます。

中学入試 算数のつまずきを基礎からしっかり [計算](学研プラス)

 算数の計算における筆算の書き方から丁寧に教えてくれるので、筆算が苦手な子はぜひ取り組んでみてください。他にも、つまずきやすい「図形」や「文章題」をテーマにしたシリーズもあります。解説が手厚いので、入門編としてはもちろん、5年生以降の基礎固めや復習にもおすすめです。

中学入試 計算名人免許皆伝

 計算問題のコツがわかりやすく解説されている教材。2桁の掛け算から、分配法則、単位などのコツが掲載されています。計算が苦手な子や、もっと計算スピードをあげたいという子は、ぜひ読んでみてください。

【5年生向け】中学受験の算数のおすすめ問題集

 5年生になると、塾によって時期は異なりますが、「場合の数」「比」「割合」「旅人算」「立体図形」といった難関とされる分野が次々と始まります。授業での理解が追い付かなくなったり、テストの点数が大きく下がったりする時期です。苦手な部分は、分野別の問題集などで補ってみてください。

予習シリーズ 算数 5年上/下(四谷大塚)

 4年生と同様に、学年のカリキュラムに沿って段階的に学べる「予習シリーズ」は、基礎が不安な方はそろえておきたい教材のひとつです。別途料金はかかりますが、予習シリーズを使ったオンラインの動画と組み合わせることで、さらに学ぶことができます。

中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 算数シリーズ

 子どもが一人で読んでもわかりやすい解説と、裏技が紹介されている人気シリーズです。基礎から応用までの問題と解説が用意されているので、4~5年生から基礎に取り組み、6年生まで段階的に学ぶことができます。中学受験の人気講師によるYouTubeの解説動画も無料公開されています。

 6年生での見直し、基礎固め向きの問題集ですが、算数の先取りをして色々な問題に取り組みたい5年生にもおすすめです。

【6年生向け】中学受験の算数のおすすめ問題集

 6年生になると、中学受験塾に通っている場合は通塾時間も増え、夏以降は過去問にも取り組むため、とにかく時間が足りないという状況になります。前提としては、通っている塾のテキストやプリントをこなすことですが、基礎がきちんとできていなかったり苦手な単元があったりする場合は、問題集や参考書で補っていきましょう。

算数ベストチェック(みくに出版)

 日能研の定番教材で、「数論」「文章題」「図形」の全70項目を網羅した問題と解説がコンパクトにまとめられています。最初に全分野からなる基本問題の「弱点診断テスト」を解き、自分がどの分野が弱点になっているかを知ることができます。そのうえで、苦手とする分野に取り組んでみるとよいでしょう。

難関中合格シリーズ 単元別対策 よく出るシリーズ(富士教育出版社)

 中学受験塾グノーブルによる単元別の問題集で、「場合の数」「速さ」「和差算」などが用意されています。例えば「場合の数」では、道順やカードの並べ方などの頻出する問題が用意され、詳しい解説とともに理解を深めることができます。

 

四科のまとめ(四谷大塚)

 四谷大塚の教材の中でも、評価の高い教材です。名前のとおり、絶対におさえておきたい各教科のまとめを、「例題」と「ポイントチェック」で復習することができます。四谷大塚の公式サイトから購入が可能です。

【難関校志望者向け】中学受験の算数のおすすめ問題集

 難関校の場合、入試の算数も難易度が高く、学校によっては、独創的な問題が出題されます。最新の入試問題を集めた問題集は、自分が受けない中学校の問題にも触れられ、さらにその年の傾向をつかむこともできます。

中学への算数(東京出版)

 月刊の雑誌ですが、難関校を志望する受験生の副読本として定番となっています。演習問題のほか、算数オリンピックに向けた問題も掲載されています。難関校を目指す、あるいは算数好きであれば、定期購読してもよいですし、特集に興味のある月だけ購入するのもよいでしょう。

必ず解きたい算数の100問:中学への算数 増刊(東京出版)

 毎年春に発売される「必ず解きたい算数の100問」は、最新の中学入試問題を中心に、算数の問題が100問掲載されています。SAPIXをはじめ、算数に定評のある塾が問題の選定と解説を行っており、その年の入試のトレンドを把握することができます。

灘中・開成中・筑駒中受験生が必ず解いておくべき算数101問 改訂新版(エール出版社)

 灘・開成・筑駒を対象にした最難関校向けの問題集です。前半に標準問題、後半に101問の演習問題が用意されており、過去問を始める前に取り組んでみるのもおすすめです。

中学受験算数の問題集の選び方

 問題集を選ぶ際に気を付けたいのが、子どもの進度や理解度にあったものを選ぶということです。中学受験 個別指導のSS-1の日野泰志先生によると、「4~5年生のうちは、算数のすべての単元が網羅されている問題集に取り組もうとしても、まだ習っていない問題まで出題されているので、避けた方がよい」そうです。

自分のレベルに合った問題集を選ぶ

 ここでいうレベルとは、算数の得意・不得意、現在習っている進度、理解度などを指します。算数が得意で理解の早い子どもであれば、学年を先取りして進めることもできますが、苦手な子の場合、先取りではなく、基礎固めを重視してください。

自分の苦手分野の問題集を選ぶ

 算数の場合、「図形」や「比」など、単元に特化した問題集や参考書も多数出ています。自分が苦手なもの、あるいは、自分が目指す志望校で頻出する単元については、問題集で取り組んでおくとよいでしょう。

解説がわかりやすい問題集を選ぶ

 解説がわかりやすいことは大前提ですが、あまり解説が長すぎると、子どもは読みません。一方、保護者が子どもの勉強をサポートする場合は、保護者が子どもに解説するための参考書という観点で選ぶとよいでしょう。ネット書店では中身までわかりませんので、大きな書店に行き、実際に本の解説部分をチェックすることをおすすめします。

中学受験算数の問題集に関するよくある質問

  • 問題集の丸つけは親がするの?

     理想は本人が丸つけも行えるようになることですが、低学年のうちは、保護者の方が丸付けをするとよいでしょう。また、子どもによっては、答えがあると丸写しをしてしまうこともあるため、問題集やドリルと答えは別にしておくことをおすすめします。
  • 間違えた問題は解き直しをした方が良い?

     もちろん解きなおしをすることは大切です。ただし、たんにもう一度解くだけではなく、「なぜ間違ったのか」「どこを間違えたのか」を把握することが大切です。低学年では難しいため、保護者の方と一緒に解き直しに取り組むとよいでしょう。

中学受験算数の問題集に関するまとめ

 中学受験に関する問題集や参考書は数多く、どれを選ぶか迷ってしまうと思います。子どもとの相性もありますので、特に低学年のうちは、子どもが気に入ってどんどん取り組むものがあれば、そのシリーズで進めていくとよいでしょう。