1985年発行の『NHKアナウンス・セミナー』によれば、外来語での「ti」「di」の発音について、
・第一原則は「ティ」「ディ」とする
・第二原則として慣用が熟している言葉は、「チ」「ジ」とする
のだそうです。もともとアナウンス部では第二原則に従って「チーム」と発音していましたが、第一原則派が「ティーム」とやり、そして局内で徐々に第一原則派が勢力を伸ばして、今に至ったとか……。
「慣用」を覆すのであれば、ちゃんと表記も変えましょう。テロップ担当の編集局も巻き込んで、表記と発音の統一を!
表記と発音のズレは、本当に問題か?
と、ここまで書いて気がつきました。そもそも日本語は、そこにあんまりこだわっていないのでは、なかろうかと。
・「日本」の読み方は、ニホン・ニッポン、どっちもOK(国名なのに!)
・戸籍登録上、姓名での漢字の読み方は完全に自由(騎士と書いてナイトと読ませるも、あり)
・「は」「へ」は場所によりha・wa、he・eとなる
・「う」は語頭と語中で発音が異なり、長音「ー」になる場合もある
・「ず」は通常zuと発音するが、du(少しずつ、いなずま、など)の場合もある
・「じ」は通常ziと発音するが、di(じめん、ぬのじ、など)の場合もある
う~っむ、これは相当に複雑です。表意文字である漢字の読み方がフレキシブルなのはまだしも、表音文字たる仮名の発音までが、多様とは。日本語、恐るべし。
ただ昔はこのズレが気にならなかったのでしょう。
本は文字だけ。ニュースは音だけ。両方を同時に感じることはありませんでした。
ところが、1990年代からテレビには字幕ならぬ「テロップ」が多用されるようになりました。喋りの要点を、ほぼそのまま文字情報としてくっつけています。

・アナウンサー:両ティームの活躍を、5台のキャメラを使って追いかけます
・テロップ:両チームの活躍を5台のカメラが追う
これで違和感を感じるわけです。表記と発音のズレが明らかになるので。



