post、most、host、ghostの共通点は?
post、という英単語があります。
名詞では、郵便(郵便物や郵便局や郵便箱)や職位・職責のことであり、動詞では、投函する、貼り付ける、告示する、まっすぐ立てる、配置するという意味があります。
だから、ポスター(告示物)、ポスティング(チラシ投函)サービス、マルチポスト(重複投稿)なんて言葉もありますよね。日本語としてふつうに使われています。
フシギなのは、その表記と発音のズレです。
postの、英語での発音はポストでなくポウスト〔póust〕。「オ」でなくはっきり「オウ」なのです。
なんでpostをカタカナにするとき、ポウストにしなかったんでしょう……。
明治時代に編纂された辞書『大言海(だいげんかい)』を調べても、あっさり「ポスト:英語のpost、郵便物や郵便箱のこと」と書いてあるのみ。ポウストと表記しようかどうか、悩んだ跡は見つかりませんでした。
他にもostでは、most(最大の)、host(主人)やghost(幽霊)が、英語ではモウスト、ホウスト、ゴウストと発音します。モスト、ホスト、ゴーストではありません。
誰が最初に定めたかわかりませんが、迷惑な話です。お陰で「間違えやすい英単語の発音問題」として日本人を悩ませることになりました。
NHKはチーム(team)をティームと発音する
ポスト(post)では、元の発音と大きく違う表記(と発音)が、定着してしまったことが問題でした。でも、ポストと書いて、ポストと読んでいるのでまだましです。
でも最近のNHKの「ティーム」はいただけません。
リオ五輪でも、NHK(や民放の一部)のアナウンサーたちは、team(チーム)のことを「ティーム」と発声していました。メジャーリーグであろうが高校野球であろうが、関係ありません。「このティームの特徴は……」と喋ります。
でも、テロップ等での表記は「チーム」のまま。発音だけ(しかも一部だけ(*1))英語風なのです。
*1 発音記号では tíːm であって、tíːmu ではない。