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40代からの人生の折り返し方 野田稔

50代でやりたい仕事を実現するための7つの秘訣

野田 稔 [一般社団法人 社会人材学舎 代表理事]
【第37回】 2016年9月12日
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50代から始めるセカンドキャリア
そのための“複業”のすすめ

50代からやりたいことをするためには、安易な転職は禁物です

 ビジネスパーソンにとって、キャリアチェンジは人生の重大事。スムーズにいく場合もありますが、紆余曲折する場合も少なくありません。王道はありませんが、リスクを軽減しながら計画的に物事を進めることが大切です。私はインクリメンタル・キャリアチェンジと呼んでいます。

 インクリメンタルとは漸増主義、徐々に増えていくという意味です。セカンドキャリアが徐々に固まり、夢がだんだん現実化するという意味です。そのための手段が複線的キャリア形成、副業ならぬ複業のススメです。

 サラリーマンであれば、今の会社をあっさり退職してしまうのではなく、今の仕事をちゃんとこなしながら、しっかりと次のキャリアのための準備をして、徐々に軸足を移していくという方法論です。

 往年の日本のサラリーマンは、そうした方法を潔しとせずに、会社にいる間は転職活動も準備も行わず、いきなりスパッと辞めて、その後で次のことを考えるという人が多かったようです。

 確かに潔いといえば潔いのですが、当然危険を伴います。転職であれば、たまたまいい話がきて、思い切りよくそれに乗るというパターンもあるでしょうが、起業や自由業に移行するような場合は、それ相応の準備が必要です。その準備期間は、キャリアが複線にならざるを得ない。これが、私が言う“複業”の意味です。

 インクリメンタル・キャリアチェンジでは年単位の時間をかけてじっくり準備をすることが珍しくありません。自ら必要な知識や技術を磨き、だんだんと軸足を移していき、定年に先駆けて、その先の人生を見据えたキャリアチェンジを行うわけです。

 40代の皆さんの場合は、50代に、確かな次のキャリアをスタートさせるのが目的です。そのスタートが付け焼刃にはならないように、用意周到な準備を行う必要があります。

 少し特殊な例ですが、サラリーマン作家などがわかりやすいかもしれません。

 会社に勤めながら、コツコツと文章を書く勉強をし、実際に小説を書きため、推敲を重ね、登竜門となるさまざまなコンクールや出版社の募集に応募する。

 その結果、デビューとなり、作家としての評価も定まってから、サラリーマンを辞めて、作家を本業とする。

 最初は独立しようというような明確な目論見があるわけではなく、好きなことを一所懸命にやっているうちに、次のキャリアが形になっていく。単に夢だったことが確実な目標になって現実味を帯びていくということもあるわけです。

 また、複業の先が転職の場合は、単線が複線になって別の単線に乗り換えるという形ですが、必ずしもキャリアチェンジの先も単線とは限りません。

 たとえば私の場合、野村総研にいる間に準備をして、大学の先生に転身したわけですが、会社を離れてからはテレビにも出始め、本も書き、講演会を行い、企業研修も始め、さらに会社も作りました。いってみれば複業への転職です。

 そうしたケースもあるわけです。

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野田 稔 [一般社団法人 社会人材学舎 代表理事]

明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科教授/株式会社リクルートホールディングス リクルートワークス研究所 特任研究顧問。野村総合研究所、リクルート社新規事業担当フェロー、多摩大学教授を経て現職に至る。日本テレビ系列「ズームインスーパー」、NHK総合「経済ワイドビジョンe」「Bizスポワイド」、NHKEテレ「仕事学のすすめ」などメディアでも活躍。主な著書に『組織論再入門』『中堅崩壊』(以上ダイヤモンド社)、『二流を超一流に変える「心」の燃やし方』(フォレスト出版)『企業危機の法則』(角川書店)など多数。


40代からの人生の折り返し方 野田稔

40代は時計で言えば、ちょうど昼の12時を回った人生の午前中が終わったばかりだ。人生折り返し、1日に例えれば、午後をいかに過ごすか。黄昏が訪れる前に上手に人生を折り返す方法をこの連載では考える。

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