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マスコミのトランプ叩きが米大統領選の行方を決めた

窪田順生 [ノンフィクションライター]
2016年11月11日
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トランプ大統領誕生に世界中が驚いているが、メディア戦術の側面から見れば、むしろこの結果は妥当だ。米マスコミがヒラリー氏擁護をすればするほど、トランプ氏の支持者が増えたカラクリを解説する。(ノンフィクションライター 窪田順生)

メディア戦術に焦点を当てれば
「トランプ勝利」は妥当

 半年前は口にするだけで鼻で笑われた「トランプ大統領」が、現実のものとなった。日米のマスコミは「番狂わせ」などと驚いているが、個人的には、この結果にそれほど驚きはない。むしろ、これまでの両候補の戦いを見ていれば、「順当」だったかなという気さえしている。

ヒラリー氏の汚職疑惑を執拗に攻撃したトランプ氏は、大統領選を「史上最低の誹謗中傷合戦」にした。そのメディア戦術には恐るべき老獪さがある。トランプ氏は、市場最もメディア操作に長けた大統領になるだろう Photo:REUTERS/AFLO

 「終わってからなら誰だってそんなの言えるだろ」という声が聞こえてきそうだが、筆者はトランプ氏がまだ「泡沫候補」とバカにされていた今年1月9日、『単なる「言いたい放題」ではない!トランプ氏の老獪なメディア戦術』という記事を寄稿し、あの「暴言」の裏には、既存の政治家ではとても太刀打ちできない高度なブランディング戦略があると指摘した。

 また、その直後にはTBSの某情報番組から、「誰もトランプを褒めてくれる人がいないので」とインタビューの依頼があったため、「トランプ大統領」の可能性を示唆するコメントも提供した。

 ちなみに、オンエア後は、「恥をかくから、ああいうことは言わない方がいい」という忠告のほか、「差別主義者を擁護するな」というクレームも多く頂戴した。なので、今回も誤解なきように断っておくと、筆者はトランプ氏の人間性や政治信条をもってして「順当」だと言っているわけではない。大統領選というメディアを介した「イメージ」の戦いで、クリントン氏を終始圧倒していた、ということを申し上げているのだ。

 では、トランプ氏の「メディア戦術」の、いったいどこが勝利に結びついたのか。結論から先に言ってしまうと、今回の勝因は、大統領選を「史上最低の戦い」という次元にまで落としめたことに尽きる、と考えている。

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窪田順生 [ノンフィクションライター]

くぼた・まさき/テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで200件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。
著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。


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