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「プロ経営者」養成塾

プロ経営者を外から招かず社内で育てる方法

小杉俊哉
【第4回】 2016年11月18日
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プロ経営者を育成するには
「修羅場・土壇場・正念場」を

 さて、今回は、プロ経営者を外部から招くのではなく、社内でどのようにして育成したらよいのか、について考えてみたい。

 どうすれば、社内でプロ経営者を育成できるのか。わかりやすく言えば、若いうちから外で修業をさせる、ということになる。「修羅場、土壇場、正念場の経験」ということだ。

 もう一度、第三回で記した、インタビューした31人の若手プロ経営者(平均年齢45歳)の年代ごとの仕事に向き合う姿勢やキャリアの特徴を振り返りたい。

【20代】仕事が馴れても楽をしない。厳しい環境に自らを追い込む
 仕事が馴れてくると普通の人は手を緩める。しかし、そこで自ら飛躍的に成長するチャンスを逃している。プロ経営者になる人たちは、そこでさらに成長曲線を上方に修正する。より難易度の高い仕事を自ら好んでチャレンジする。また「環境を変える」という目的で、留学やコンサルティングという選択肢を選ぶ人が多い。

【30代】飛躍。本当にやりたい仕事を得るために新しい環境を求める
 30代早々にプロジェクト責任者となり、30代半ば?後半には収益責任を負う事業責任者になる。社内でそのポジションが得られなければ、転職をしてそれを求める。
 また「小さな組織でも、30代のうちに事業責任者、経営者としての経験をすることが何より重要。最初は、誰でも素人。それをやることによって、ビジネス・プロフェッショナルになっていく」という思考を持っている。

【40代】社長として乞われて新天地へ
 プロ経営者としてのスタートは、どんなに遅くとも40代が必須。経営者になったからといって"上がり"ではなく、経営者となってからも、もがいている。だからこそそれは40代の気力・体力があるうちにやっておく必要がある、と自覚している。

 こうしたことを、人事担当者や経営者は、どのようにして「社内の環境で実現させるか」考える必要がある。

 そのためには、ポテンシャルの高い人材(HPI=High Potential Individual)を見極めた上で、彼らに対しては特別に従来と比してかなり無茶な人事・アサインメントを与えることになるだろう。しかし、ストレッチさせなければ、大きな成長はない。若いうちは気力と体力がある。できるだけ早く経験するに越したことはない。

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小杉俊哉

合同会社THS経営組織研究所代表社員、慶應義塾大学大学院理工学研究科特任教授、立命館大学大学院テクノロジー・マネジメント研究科客員教授。 1958年生まれ。早稲田大学法学部卒業後、NECに入社。マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院修士課程修了。マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク、ユニデン株式会社人事総務部長、アップルコンピュータ株式会社人事総務本部長を歴任後独立。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科准教授を経て現職。著書に『職業としてのプロ経営者』(クロスメディア・パブリッシング)等。


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日本人のグローバルにおける市場価値は非常に低い。人材の流動化促進により、プロ経営者を育てていくことがグローバル環境の中で日本の企業が発展するためにも必須ではないだろうか。企業側の視点で言えば、今の若者たちを「プロ経営者的発想」を持った人材として企業社内で育てることで、プロ経営者を招聘しなくても、社内から「プロ経営者」を出すことが可能になり、グローバル競争に勝ち抜く経営層を作ることができる。では、プロ経営者とはどのような経営者なのか。この連載では「プロ経営者という人材」について詳しく見て行く。

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