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「プロ経営者」養成塾

プロ経営者はどうやって作られるか?

小杉俊哉
【第3回】 2016年10月6日
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 これまでこの連載では、日本企業では生え抜き経営者では痛みを伴う変革は難しい傾向がある点を指摘し、しがらみのない客観的な視点をもつ外部からの「プロ経営者」が今の日本企業には必要であることを述べてきた。

 ところで、これまで触れてきたよく知られた大物経営者だけでなく、あまり知られていない次の世代のプロ経営者が実は日本企業で数多く活躍していることご存じだろうか。

 彼らがどのようにしてプロ経営者になっていったのかを知ることは、需要が逼迫しているプロ経営者を増やすこと、そして企業にとってはどのようにして社内で「プロ経営者」を育成するか、のヒントになるのではないと考える。

 そこで、今回は、彼ら若いプロ経営者のインタビューを通して見えてきた、どのようにしてプロ経営者は「作られるか」について細かく見ていきたい。

「プロ経営者」は就職後、どんな道をたどるのか?

 いわゆる「プロ経営者」にインタビューを行なったのは合計31名。彼らがプロ経営者として率いる会社は、必ずしも大企業ばかりではないが、「ヘンケル」「オフィス・デポ」「本間ゴルフ」「ロゼッタストーン」「楽天」「キンコーズ」「新生ファイナンシャル」「USEN」「弥生」「アクサダイレクト生命保険」「シーメンス」「バーニーズ」「あきんどスシロー」「デル」「マース」「マンパワーグループ」「ダイソン」「20世紀フォックス」「モルソン・クアーズ」など名の知れた企業も多く含まれている。

 一般的に日本の上場企業の課長昇進の平均年齢は45歳前後だが、彼らの平均年齢も約45歳である。さて、これらプロ経営者は若くして経営者になるほどに傑出した人材だったのだろうか。31名のプロ経営者のプロファイルは以下の通りだ。

【新卒で入社した会社】
・外資系企業=13名
・日本企業=19名
〔内訳〕
・商社=6名
・コンサルティング会社=8名
・金融=6名
・メーカー他=12名

【MBA、留学経験】
・なし=10名
・MBA=19名
・留学=3名

【今の職に就くまでの転職回数】
・2社目=1名
・3社目=3名
・4社目=12名
・5社目=10名
・6社目=4名
・7社目=1名
・8社目=1名

 新卒で入る会社に関して特段の偏りはない。MBAや留学経験をしている人は多いが、そうでない人も約3分の1おり、必須という訳ではない。また、今の職に就くまでの転職回数は平均4回強といったところで、これは、新卒以来1社だけに勤め続けている人にとってはかなり多いと感じるのではないだろうか。

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小杉俊哉

合同会社THS経営組織研究所代表社員、慶應義塾大学大学院理工学研究科特任教授、立命館大学大学院テクノロジー・マネジメント研究科客員教授。 1958年生まれ。早稲田大学法学部卒業後、NECに入社。マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院修士課程修了。マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク、ユニデン株式会社人事総務部長、アップルコンピュータ株式会社人事総務本部長を歴任後独立。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科准教授を経て現職。著書に『職業としてのプロ経営者』(クロスメディア・パブリッシング)等。


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日本人のグローバルにおける市場価値は非常に低い。人材の流動化促進により、プロ経営者を育てていくことがグローバル環境の中で日本の企業が発展するためにも必須ではないだろうか。企業側の視点で言えば、今の若者たちを「プロ経営者的発想」を持った人材として企業社内で育てることで、プロ経営者を招聘しなくても、社内から「プロ経営者」を出すことが可能になり、グローバル競争に勝ち抜く経営層を作ることができる。では、プロ経営者とはどのような経営者なのか。この連載では「プロ経営者という人材」について詳しく見て行く。

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