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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

最先端のNPOにおける“働き方”の変化は企業にとって教訓になる

上田惇生
【第226回】 2011年1月24日
著者・コラム紹介バックナンバー
ダイヤモンド社刊
1890円(税込)

 「かつてNPOは、ボランティアは無給だから指示できないと言っていた。ところが今日では、ますます多くのNPOが、ボランティアは無給だからこそ、大きな貢献をしてもらい、仕事に満足してもらわなければならないとしている」(『チェンジ・リーダーの条件』)

 ドラッカーは、今日のボランティアは、善意のアマチュアというよりも、無給のスタッフと見るべきだという。しかもこの変化が、NPOだけでなく、企業にとって大きな意味を持つという。

 ボランティア活動のすべてを支えるものが、責任である。彼ら無給のスタッフとしての知識労働者は、自分たちの成果が目標に照らして評価されることを求める。しかも彼らは、成果を上げていない者は、能力に見合った別の任務に移すことを求める。

 この変化が、企業にとって明快な教訓となる。なぜならば、知識労働者の生産性の向上が、企業のマネジメントにとって今日最大の課題だからである。NPOがそれをどのように行なうかを教える。

 今日、最先端のNPOは、彼ら無給のスタッフに対し、使命を明らかにして目標管理によるマネジメントを行なう。継続学習を奨励し、要求水準を高くする。責任を見合うものにし、自らの仕事ぶりと成果に責任を持たせる。

 かつてはNPOが企業に学んだ。今度は企業がNPOから学ぶ。

 「今日NPOに見られる善意のボランティアから無給のスタッフへの変化こそ、アメリカ社会におけるもっとも重要な変化である」(『チェンジ・リーダーの条件』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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