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オープンイノベーションは
「場所と人材」があれば加速する

――デジタルガレージ主催の会議で思ったこと

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第414回】 2016年11月24日
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社会の基本的な仕組みが
テクノロジーでどう変わるのか

 11月4~5日、日本企業デジタルガレージがサンフランシスコで「The New Context Conference 2016」という会議を開催した。

 会議のテーマは、1日目が「ブロックチェーンの社会的インパクト」、2日目が「微生物とのコラボレーション」だった。いずれも、貨幣経済や生物学というごく基本的な領域が、テクノロジーによってどう変化するのかを捉えた内容である。

 デジタルガレージは、1995年の設立以来、インターネット関連のテクノロジーを開発する他、ツイッターなどスタートアップへの投資、モバイル事業運営、インキュベーション設立などを行ってきたほか、電通や講談社などとの合資によってデータサイエンス事業やコンテンツ事業に乗り出すなど、多角的な経営を行ってきた。

 サンフランシスコにはインキュベーションセンターも持ち、その活動は日本、アメリカ、アジアに広く広がっている。現在、事業の柱としてインキュベーションテクノロジー、マーケティングテクノロジー、金融テクノロジー、メディアインキュベーションの4つを挙げている。

オープンイノベーションの
プラットフォーム

 それに加えて、今回のThe New Context Conferenceでは、研究開発組織「DG Lab」の設立も改めてアナウンスされた。DG Labは、デジタルガレージ、カカクコム、クレディセゾンと共に今年7月に設立され、新しい事業を創出するためのオープンイノベーションのプラットフォームと位置づけている。

 会議1日目の「ブロックチェーンの社会的インパクト」は、かなり専門的な内容だった。ビットコインを支えるしくみとして知られるようになったブロックチェーンは、ごく単純に言えば、中央的な管理機構なしに分散型台帳をアップデートする方法で取引を記録していく技術で、仮想通貨だけでなく決済、ガバナンス、モニタリング、契約などさまざまな用途にも利用でき、破壊的な影響を持つものと期待されている。

 今回の会議では、そうした応用の可能性、セキュリティー問題のほか、日本の銀行間で進められているコンソーシアム型ブロックチェーンのあり方などについて、講演とパネルディスカッションが行われた。

「The New Context Conference 2016」パネルディスカッションの様子
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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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