続くトランプの過激ツイート <br />米国で高まる人種差別の機運自身が運営する英スコットランドのゴルフコースでメディアに向かって語り掛けるドナルド・トランプ次期米大統領 Photo:Press Association/アフロ

 感謝祭(11月24日)の前夜、米シカゴの美術用品店で白人女性とレジの黒人店員の間でいさかいが起きた。発端は購入品を入れるためのバッグに1ドルを払うかどうかというささいなことだ。激高した白人女性は、「私は(ドナルド・)トランプに(米大統領選挙で)投票したのよ! 誰が勝ったのか見てみなさい!」と叫んだという。

 彼女が数十分間にわたって店員を非難する様子が動画共有サービスのユーチューブに投稿されたことで話題になった。その動画を撮影した白人女性は、人種差別的な発言に傷ついた黒人店員とその家族を励まそうと、インターネットで資金を募るクラウドファンディング型募金サイト「ゴー・ファンド・ミー」で寄付を呼び掛けた。

 クリスマスプレゼントとして400ドルを目標にしたところ、小口の募金が3日間で1900件以上集まり、2万7000ドルに達した。トランプ氏の勝利と同時に人種差別的空気が高まっていることを警戒する米国人も多くいるといえる。

 シカゴにいたタイプのトランプ支持者は、新政権の経済政策が富裕層や大企業、ウォール街の金融機関を喜ばせる方向に向かっていることについて、いまだにあまり気にしていないように感じる。いずれは「話が違う」と、中西部などの低中所得層の白人がいら立ち始める可能性があるが、当面はトランプ氏がマイノリティやリベラル派を攻撃する過激なツイートを行えば、彼らは拍手喝采しそうだ。