「仕事」と「プライベート」は比較しない

 残業を減らし、プライベートの時間を増やすために、最初に頭に入れておいてほしいことがあります。そもそも私たちが仕事をしている環境は、自分自身の思惑よりも「残業してしまいやすい」ようにできているのです。

 たとえば、「定時後にデートや飲み会の予定がある」という場合と、「特に予定がない」という場合、残業するかどうかの判断はかなり違いますね。このあと約束があるという場合、プライベートを優先して、何とか仕事を終わらせます。しかし、予定がない場合は、プライベートよりも仕事を優先して残業してしまうことも多いと思います。

 では、定時後に「資格試験に備えた勉強をする」という場合はどうでしょうか?

 この場合は、微妙だという人も多いはず。資格試験が近づいているなどの差し迫った事情がなければ「勉強は明日でもいいか」と仕事を優先してしまうこともあるかもしれません。

 このように、私たちが「今日は残業するか、しないか」という判断をする時には必ず「仕事」と「このあとのプライベートの予定」のどちらを優先するか、天秤にかけているのです。

「どちらを優先するか」を考えるのは当たり前ですが、私たちがそれを「職場」で考えているところには注意が必要です。「職場で」「仕事をしながら」考えていると、仕事のことがより気になるのは当たり前です。つまり、つい仕事優先に考えてしまう環境にどっぷり浸かりながら「もう少し残業するか?しないか?」の判断をしているわけです。これでは、ついつい残業が長くなってしまうのも当然です。

 たとえば、仕事を終えて帰宅したあと、勉強や趣味の時間を取れないことにため息をつく……。そんなことが多い人は特に注意が必要です。