経営職と管理職は
何が違うのか?
経営職、すなわちCEO(最高経営責任者)やCOO(最高執行責任者)、CFO(最高財務責任者)などのCxO(最高○○責任者)と管理職は全く異なる業務です。ところが、意外とこれが一緒くたにされていたり、両者の違いが理解されていなかったりすることがあります。
大きくまとめると、経営職の仕事はビジョンを掲げて戦略を策定し、全社的視点に立ってヒト・モノ・カネの経営資源を獲得し、どう使うかを決めて動かしていくことです。一方、管理職の仕事は経営陣の策定した戦略を忠実に実行し、メンバーが仕事をしやすいように環境を整えたり人材育成を行ったりすることです。
「エグゼクティブ」という言葉も管理職を含めて使われている場合がありますが、本来は「経営職の人たち」を指すものです。たとえばCOOと営業部長の仕事は混同されがちですが、全く異なります。経営職と管理職の境界がぼやけがちなのは、企業組織には社長を頂点としたピラミッド構造があり、サラリーマンの出世の延長線上に経営職があるというイメージが頭のなかにあるからでしょう。
確かに管理職と経営職にキャリアの連続性はありますが、実際に経営職になってみると、そこから見える風景はがらりと変わります。
転職市場においても、経営職人材と管理職人材は別です。経営職人材は年俸3000万円、5000万円という世界になりますが、管理職人材は日本企業で1500万円、外資系企業で2000万円くらいが相場の天井です。
会社との契約も両社は異なり、役員は基本的に2年間もしくは1年間の有期契約で、労働基準法で守られなくなります。