「企業が欲しがる人」は技術・市場の激変でこう変わる人材紹介会社のコンサルタントには「これからお勧めの業種・職種は何ですか?」という質問がよく寄せられますが、現在の経済環境下で、その質問にお答えするのは非常に困難です。

将来を見据えた
採用が増えている

 人材紹介会社のコンサルタントには「これからお勧めの業種・職種は何ですか?」という質問がよく寄せられます。しかし現在の経済環境下で、その質問にお答えするのは非常に困難です。

 その理由について述べる前に、まずは最近の求人の傾向についてお話したいと思います。

 景気回復の持続を反映し、人材紹介会社が顧客企業から受け取る紹介手数料が上がり始めて久しくなります。

 当社では現在のような景気回復局面では自分たちから紹介手数料を値上げしない方針をとっていますが、お客様のほうから「紹介手数料を上げます」「期間限定で〇%にします」といった話をいただくことも少なくありません。

 採用は景気の遅行指標であるため、従来はこうしたお客様からの紹介手数料アップの話が出てくると「そろそろ景気回復の天井が来るかな……」と警戒していました。ところが今回は紹介手数料アップの話をいただくようになってから2年ほど経過しているにもかかわらず、いまだにアップする一方です。

 これは多くの企業で人材が不足していることに加え、2020年の東京オリンピック開催に伴う需要増という事情もあり、不確実な要素はありながらもこの傾向はまだまだ続きそうな予感がします。

 このような状況下で出てくる求人の多い特徴として「未来投資型求人」があります。具体的には経営企画や新規事業開発といった人材の募集です。「未来投資型求人」が増えるのは、企業の足元のビジネスが好調な証拠です。