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英首相の“強硬離脱”表明でEUとの対決は不可避に

週刊ダイヤモンド編集部
2017年1月25日
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1月17日に、英国のメイ首相がEU(欧州連合)離脱に向けて、政府の方針を表明した。その内容は単一市場への残留より移民の制限を優先する「ハードブレグジット」。従前の予想通りだったこともあり、市場は今は静観しているが、英国とEUが合意できるのか、英議会が受け入れるのかなど不透明な要素が多い。英国はどこに向かうのか。(「週刊ダイヤモンド」編集部 大坪稚子)

ロンドンのランカスターハウスでスピーチするメイ首相。「ハードブレグジット」を表明し、EUとの“対決”は避けられそうにない Photo:REUTERS/アフロ

 英国のメイ首相の1月17日のスピーチを世界の市場関係者が注意深く見守った。メイ首相はノルウェーやスイスのように、単一市場へのアクセスを確保する「ソフトブレグジット」の可能性を否定し、単一市場より移民制限を最優先事項とする方針を正式に表明した。

 にもかかわらず、会見後、ポンドは買い戻された。市場には一種の安堵感すら広がった。

 なぜか。メイ首相は、EU(欧州連合)との間で「包括的で大胆で野心的なFTA(自由貿易協定)」を締結し、できる限り単一市場へのアクセスを確保する方針を示した上に、最終合意に当たって、英国の上下院での議決を求めることを明らかにしたためだ。議会との合意という高いハードルが課されたことで、「英国はそう簡単に離脱できない。だから当面、英国から投資も資金も逃げないだろう」(岸田英樹・野村證券シニアエコノミスト)との見方が生まれた。

 しかし、市場が期待するほど楽観的なものにはなりそうにない。

 メイ首相は2017年3月末までにEUに正式離脱を通告すると表明している。離脱通告については、最高裁判所が議会の承認を得る必要があるとの判決を下すとみられるが、議会は英国政府が離脱手続きに向けての方針を明らかにすることと引き換えに、3月末までに離脱手続きをする日程を先送りしない動議を可決している。離脱通告自体はすんなり進みそうだ。

 問題はその後だ。リスボン条約50条で、離脱通告から2年後にEU法の英国への適用が停止される。つまり19年3月に英国は関税ゼロなどの加盟国としての特権を失うことになる。

 英国としてはそれまでの2年間で交渉をまとめなければならない。離脱交渉と同時並行で、FTA締結交渉を進めるとともに、金融業のシングルパスポート(EU域内のいずれかの国の金融監督当局から免許を取得すれば、域内の他の国でも業務ができる制度)などを確保したい。自動車や金融など戦略産業では、英国のみならず、EUにとっても互いの市場アクセスを確保することはメリットが大きいとして、“特例”を求めていく考えだ。

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