経営×総務

長期的・戦略的な視点で経営を支える「ファシリティマネジメント」の重要性

そもそもファシリティマネジメントとは

 ファシリティマネジメント(FM)は、1970年代にアメリカで生まれた経営手法である。日本には1980年代の半ばに紹介され、すでに30年が経つ。欧米企業には欠かせないFMだが、なぜか日本企業にはなかなか根付きにくい。それに近い仕事を総務が担っているためともいわれる。

 しかし、総務とFMの大きな相違点は、経営戦略的・長期的な観点での取り組みの有無、PDCAを回しているかどうかである。あらためてFMとは何か。

 日本におけるFMの導入・啓発を牽引してきたFM業界の古参の1人である、ワークプレイス戦略コンサルタントの古阪幸代さんによれば、FMをあえて定義するならば、「ハード(建築・設備・内装・什器備品等)とソフト(運用方法・制度等)で構成される執務環境を、社会や企業環境の変化に対応し経営的視点に立って、実証された管理業務と最新技術知識で、有効かつ適切に計画・整備・運営・管理することにより、ダイナミックな企業活動の展開に貢献し得る生産性・創造性の高い執務環境を維持提供し続ける全般的な経営活動」だ。

 「簡単にいうと、企業を動かしていくための経営資源であるヒト、モノ、カネ、情報に続く、第五の経営資源といわれているのがCREやファシリティ。その第五の経営資源を、ほかの4つの経営資源とともに企業の経営戦略に合わせて、うまく運営していくのがFMです」

 企業の経営活動に不可欠なFMの目標には、財務・品質・供給という相互に関連する3つの管理項目がある(図1)。

 PDCAを回し、社会情勢に合わせて総合的かつ適切にこれらFM3目標の調和をはかることで、経営目標が達成される(図2)。

 「たとえば、経営戦略に対応して立てられたFM戦略に基づいてオフィスを移転し、リーズナブルなコストで効果的に維持・運営し、状況を評価して、また次の戦略につなげていくというように、PDCAを回してスパイラルアップしていくことが、FMの重要なところです」

経営×総務 特集TOPに戻る


経営総務研究所

「総務部」を単なる社内の何でも屋的役割ではなく、社内リソースを統轄する戦略部署とすることで会社は変わる――。COO、CFOと並ぶ「CHRO」が誕生している人事部と同様、総務にもCクラスを誕生させることが求められるのではないか。総務を、経営会議に参加する、経営戦略の一端を担う「戦略総務」化することで企業がどのように変わるか、経営に資する総務の在り方を探る。

「経営総務研究所」

⇒バックナンバー一覧