昨年末の発売以来、日本でもザッポスおよびトニー・シェイのファンを増殖させている書籍『顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説』ですが、数回に渡り、日本のさまざまな層のザッポス伝説ファンの情熱を紹介していきます。ベンチャー、顧客サービス、企業文化、生き方など、同書を様々な視点から読み解いていきます。今回は、シリアル・アントレプレナー、社会貢献活動などで知られる小澤隆生氏の登場です。

おざわ・たかお
小澤総合研究所所長、楽天株式会社・顧問、公益社団法人シビックフォース・理事、一般財団法人ジャスト・ギビング・ジャパン・理事、スターフェスティバル株式会社・取締役、株式会社インテリジェンステクノロジー・取締役、株式会社ロケットスタート・パトロン。

「いまのザッポスがどうして出来たのか、なんで今のサービスがあるのか、ずっと疑問だったんです。『顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説』を読んでようやく、トニーはこう考えて、こうやったのかと明快に分かりました。彼の幼いころのエピソードから、ザッポスが成功するまで、極めて一貫してる。そして、私も同じように起業して、EC(オンライン販売)をやったから、共感が本当にいっぱいあります」

 今回は、自ら創業したベンチャー企業を成功させ、その後売却して、いまはNPO理事などとして社会に貢献しているという、トニー・シェイと似た経歴の起業家である小澤隆生氏に話をうかがいました。1999年創業のビズシークを2001年に楽天に売却。以来、楽天執行役員や楽天イーグルス立ち上げ担当を務め、2007年に小澤総合研究所所長に就任し、現在は楽天株式会社の顧問やベンチャー企業数社の育成を手掛けると同時に、今回の東日本災害でも活躍中の公益社団法人シビックフォース一般財団法人ジャスト・ギビング・ジャパンの理事を務める小澤氏にとって、『ザッポス伝説』は自身の経験とも重なって共感すること至極の書だそうです。

「これを読んで、『自分もそう思う』『考えが整理された』という共感と、『スゴイ』『やられた』みたいな感覚があります。私が同じ時期にeコマースに取り組んでいたから、というだけでなく、業界問わず役に立つはずです。この本からは人の行動の本質が分かります」

 『ザッポス伝説』は、これからの人生を考えている人が読むべき本であり、業種の枠を超えた本質が詰まっている、と語る小澤隆生氏は、人の行動原理や生き方について『ザッポス伝説』から得られる知恵や気づきについて次のように指摘します。