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「引きこもり」するオトナたち

被災地の引きこもりが部屋、家を出るケースが多数!
震災を機に家族団欒が復活した理由

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第68回】

 大震災を機に、親が引きこもっている息子に「大変!」「早く!」などと声をかけたら、息子は部屋から出てきて、その後、親や兄弟と一緒に過ごすようになった――。今回は、そんな家族団欒が復活した話を紹介したい。

震災を機に部屋を出た息子
夕食を毎日一緒にとるようになり…

 宮城県内にある、その家族の家は、震災によって家屋が根元から20センチほどずれた。ほぼ全壊に近い被害状況だ。

 震災後の停電の間、家族はロウソクの灯を灯し、部屋から飛び出した20歳代の息子も一緒に瓦礫を片付け、ひと部屋に身を寄せると、布団を敷いて、ラジオを聞きながら過ごした。

 しかし、親子は、それまで長年、信頼関係をなくして断絶。親は、子どもの顔を見ることができず、部屋に入ることもできずにいたのである。

 電気などのライフラインが復旧すると、その息子はまた、自分の部屋に戻っていった。それでも、夕食だけは、家族そろって一緒に食べるようになったという。

 「ずっと停電だったら、良かったのに」

 母親は、このままもう少し、子どもと身を寄せ合っていたかったと思いを明かす。

 「こうして震災を機に、家族が声をかけたら、やっかいなご家庭の方たちも含めて、ほとんどの子どもが部屋から出てきているんです」

 こう語るのは、仙台市若林区にある社会福祉法人「わたげ福祉会」理事長の秋田敦子さん。引きこもりなど心に不安を抱えた人たちへの電話、面接、訪問相談、情報提供などを行っている「ほわっと・わたげ」サロンや、寮生活をしながら社会復帰を目指している生活訓練施設「わたげの家」などを運営している。

 「息子は再び部屋に入ってしまった。日常が戻るにつれ、部屋にまた引きこもるのではないでしょうか?」

 こう心配する母親に、秋田さんは、こうアドバイスした。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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