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ワークス研究所の労働市場最前線

「日雇い派遣」という選択
正社員と対極にある働き方だからこそ
ひとくくりにできない働く理由

中村天江 [リクルートワークス研究所主任研究員]
【第12回】 2011年6月23日
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 「日雇い派遣」で働く人というと、どんな人を想像するだろうか?ワーキングプアやネットカフェ難民、師走に家と仕事を失い派遣村に行かざるを得なかった人だろうか?

 このイメージは正しくもあり、間違ってもいる。

今や「学生」も「主婦」も
日雇い派遣で働いている

 ワークス研究所では2010年に、日雇い派遣労働者のライフラインといわれる携帯電話を用いて、日雇い派遣など短期の派遣で働く約2000人に調査を行った(※)。すると、日雇いなど短期派遣で働く人の中には、「学生」や「主婦」が相当数存在した。例えば、引越しシーズンのピークを支える日雇い派遣労働者には、体力のある男子学生が多い。選挙の臨時スタッフには主婦からの応募が少なくない。

 日雇い派遣だけで生活している「短期派遣専業」は全体の11%にとどまる。他の仕事をしながら副収入を得るために働く「副業」や、次の仕事を見つけるまでの一時的な収入手段として、日雇い派遣を利用する「失業・求職中」の方が、「短期派遣専業」より多いことも明らかになった。

 派遣会社に登録しておけば、自分の都合に合あわせて働くことができる短期派遣の仕組みは、副収入を得たい人にとって格好のアルバイト手段になっているのだ。

 日雇い派遣で働いている全員が、食べるにも生きるにも、困っているわけではない。

(※) 日雇い派遣とは派遣会社との雇用契約が日々もしくは30日以内の就業形態。本稿における短期派遣とは派遣法の改正によって禁止の可能性がある、日雇い派遣を含む雇用契約2ヵ月以内の就業形態。

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中村天江 [リクルートワークス研究所主任研究員]

なかむら あきえ/東京工業大学卒、東京大学大学院数理科学研究科修了後、1999年リクルート入社。求人広告(リクナビNEXT)、人材紹介(リクルートエージェント)の企画・運営や、キャリア支援サービス(Tech総研)の立ち上げ等、さまざまな形態の人材ビジネスに携わる。2009年4月より現職。


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超就職氷河期、非正規社員の比率の高まり、社内教育制度の限界など日本の労働市場は、大きな転換期にある。労働市場の研究所として名高いリクルート社のワークス研究所の研究員が、就職、転職、キャリアパス、制度問題など、労働市場を360度の視点から縦横に分析する。

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