ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
China Report 中国は今

教育のグローバル化が猛スピードで進行中
上海のインターナショナルスクールに
“留学”する日本の子どもたち

姫田小夏 [ジャーナリスト]
【第79回】 2011年7月15日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 共産党国家の中国で教育の国際化が猛スピードで進んでいる。中国・上海では、ハード、ソフトともに教育インフラの整備が進み、欧米型メソッドを導入しグローバル人材の育成に乗り出す教育機関も増えた。

 中国国内の名門信仰から、時代はグローバルエリート育成にシフト。ケンブリッジ大学やハーバード大学など海外の名門への進学を目指す子どもたちもいる。そんな新たな競争が始まった上海で、日本の子どもたちも国際化の波に乗ろうと頑張っている。

 “特殊かつ伝統的な偏差値教育”を振り切って、日本から上海に乗り込むケースもある。「優れている」とされてきた日本の教育に翳りが見えてきたためだ。上海には日本の教育システムには期待できない、最先端の学習環境があるという。

東京での名門中学受験をやめて
上海のインターナショナルスクールに転校

 桜井雅之君(仮名)は今年17歳。10歳のときに東京から上海市内のインターナショナルスクールに転校した。

 成績優秀な雅之君は、当時は中学受験を目指し開成中学を狙って猛勉強の日々だった。毎晩塾に通い、夜は9時過ぎての帰宅が続いた。それでも本人は“塾通い”を楽しんでいた。むしろ塾よりも学校が苦痛だった。授業中、先生の質問に手を挙げて回答するだけで「あいつはカッコつけてる」と言われ、周囲からいじめを受けた。次第に雅之君からは生き生きとした表情が薄れていった。

 母親は萎縮する息子を不憫に思い、環境を変えることを決断した。当時父親は単身で上海で仕事をしていたことから、「パパのいる上海へ行こうか」と考え始めた。雅之君は「名門中学の受験、ここまで準備してきたのに」と後ろ髪をひかれたものの、最終的には自分の意志で上海行きを選んだ。

 転校したインターナショナルスクールは、授業について行くのがやっとだった。担任に呼び出され、「この成績じゃ…」と警告されたこともあった。だが、その後、雅之君は急成長。今では英語も中国語もネイティブ並みに成長し、成績もトップクラス。目下、欧米の大学進学を目指している。

 母親はこう言う。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

姫田小夏 [ジャーナリスト]

ひめだ・こなつ/中国情勢ジャーナリスト。東京都出身。97年から上海へ。翌年上海で日本語情報誌を創刊、日本企業の対中ビジネス動向を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、「ローアングルの中国・アジアビジネス最新情報」を提供する「アジアビズフォーラム」主宰に。語学留学を経て、上海財経大学公共経済管理学院に入学、土地資源管理を専攻。2014年卒業、公共管理修士。「上海の都市、ビジネス、ひと」の変遷を追い続け、日中を往復しつつ執筆、講演活動を行う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、共著に『バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔』(カナリアコミュニケーションズ)。

 


China Report 中国は今

90年代より20年弱、中国最新事情と日中ビネス最前線について上海を中心に定点観測。日本企業の対中ビジネスに有益なインサイト情報を、提供し続けてきたジャーナリストによるコラム。「チャイナ・プラス・ワン」ではバングラデシュの動向をウォッチしている。

「China Report 中国は今」

⇒バックナンバー一覧