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飲食店を救う「ITサービス」ガイド
【第10回】 2017年7月13日
著者・コラム紹介バックナンバー
中村 仁

飲食店もお客も満足する、
ありそうでなかったグルメサイト
グルメサイト「ヒトサラ」・前篇

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飲食店の予約/顧客台帳サービスとしてNo.1のシェアを誇る株式会社トレタの代表・中村仁氏に、飲食店向けのお勧めのITサービスを独断で選出し、解説してもらう連載の新シリーズです。
今や誰もが使っている「グルメサイト」は、飲食店にとって頼もしい味方であると同時に、悩みの種にもなりえる存在です。今回は、そうした矛盾を生じさせずに飲食店もお客も満足する唯一のサービス、「ヒトサラ」について詳しく解説します。
(構成:谷山宏典)

グルメサイトが抱える根本的な課題とは?

 飲食店を救う次のITサービスは、もしかしたら飲食店関係者の方々にとってもっとも身近なサービスかもしれません。それは、お客様にとってはお店選びのツールであり、飲食店にとっては集客サービスである、「グルメサイト」です。

 お客様が飲食店の情報を入手しようとするとき、テレビや雑誌を見たり、知人・友人からの紹介(クチコミ)のほか、インターネットのグルメサイトでお店の情報を検索するのはもはや当たり前の行動です。それゆえ飲食店の側としても、毎月一定額を支払ってグルメサイトに自店の情報を掲載することは、税金や家賃を支払うのと同じぐらい当たり前の出費になりつつあると言えるでしょう。

 グルメサイトには、大きくわけて2つのタイプがあります。

 1つは「ガイド型」です。このタイプはオーソドックスなグルメサイトで、ユーザーはエリア、ジャンル、価格帯、目的などの条件から検索をかけて、自分のニーズに見合ったお店を簡単に探し出すことができます。サイトの運営は、お店から掲載料をもらうことで成り立っています。『ぐるなび』『ホットペッパーグルメ』がその代表です。

 サイトの収益として、店舗情報の掲載料ではなく、サイト経由で予約が成立した際の手数料をとっている『オズモール レストラン予約』『一休.comレストラン』『Open Table』もありますが、それらのサイトも本連載では「ガイド型」に分類します。

 グルメサイトのもう1つのタイプは「クチコミ型」です。実際にお店に行ったユーザーが自由にレビューや感想、写真をアップしていくグルメサイトで、多くのユーザーからのクチコミが集まれば集まるほど、情報の精度や密度が上がり、サイトの規模も大きくなっていくのが特徴です。ユーザーのクチコミがベースなので広告との相性が良いのですが、近年は一部のユーザーや店舗を有料会員とする収益モデルも確立し、グルメサイトとして安定した収益と運営体制を実現しています。『食べログ』や『Retty』がクチコミ型の代表です。

 1996年に『ぐるなび』が誕生して以来、日本ではさまざまなグルメサイトが登場し、サービス内容も進化・充実してきました。

 しかし、グルメサイトが多様化して成熟している現在にあっても、グルメサイトに満足している飲食店はあまり多くないように思います。

 その理由は、「飲食店にとっての理想のグルメサイトがまだ存在しないこと」。つまり、飲食店が「自分たちの理想とするお客様と出会うため」にグルメサイトを利用するのだとしたら、それを実現してくれる媒体がまだまだ少ないという点にあります。

 たとえば従来のガイド型グルメサイトは、飲食店からの掲載料で運営しています。飲食店がお金を支払って情報を掲載する以上、ガイド型グルメサイトは基本的に「飲食店の言いたい放題」になりがちです。なぜなら飲食店がグルメサイトにお金を支払って自店情報を掲載する動機は「集客」ですから、少しでもお客様の関心を引くようなことを謳いたくなるからです。中には、多少「盛りたくなる」お店だってあるでしょう。

 結果として、そのサイトには「こだわりの食材」「最高のおもてなし」「くつろぎの空間」など、お店がそれぞれの思いで語る美辞麗句が並ぶことになってしまいがちです。しかし、実際にそのお店に足を運んでみたら実態とはまるで違った、というトラブルは少なくありません。

 ガイド型グルメサイトは基本的に飲食店の利益を最優先する立場ですが、この立場が行きすぎてしまうと、「アテにならない美辞麗句が並ぶグルメサイト」となってしまい、ユーザーにとっては「信用できない」サイトになってしまう危険性をはらんでいます。こうなってしまうと、誠実に情報を掲載している飲食店にとっても、せっかく集客を期待して掲載料を支払っているのに、思ったほどの集客効果が得られないということになりかねません。

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中村 仁

(なかむら・ひとし)パナソニック、外資系広告代理店オグルヴィ・アンド・メイザー・ジャパンを経て2000年に西麻布で飲食店を開業。立ち飲みブームのきっかけとなった「西麻布 壌」を皮切りに、とんかつ業態「豚組」、豚しゃぶ業態「豚組しゃぶ庵」などの繁盛店を世に送り出す一方、ツイッターを活用した集客で2010年に「外食アワード」を受賞。
2011年、料理写真を共有するアプリ「ミイル」をリリースしたのち、2013年に株式会社トレタを設立し現在に至る。
現在も「スクーリングパッド」をはじめ数々の飲食店向けセミナーの講師も務めている。
著書に『右向け左の経営術』『小さなお店のツイッター繁盛論』など。


飲食店を救う「ITサービス」ガイド

2015年は「飲食店IT化元年」と言われ、飲食店向けのITサービスが一斉にサービスを開始した年でした。
そして、その趨勢はすでに決まりつつあります。この連載では、そうした「飲食店を経営するうえで確実に利用したほうがよい」ITサービスを詳細に紹介していきます。
 

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