佳食漫遊!ニッポンの郷土料理
【第4回】 2011年8月17日 橋本裕之

鶏のもも焼き―本場宮崎の味!豪快な火と煙で仕上げるワイルドな絶品

 このつまみにはもちろん芋焼酎のロックだろう。井上酒造の『飫肥杉(おびすぎ)』をさっそく注文しグビリ。約400年前の江戸初期に植林された歴史ある日南名物の杉の名前から付けられた銘柄。シナモンのような独特の香りが印象的でロックにピッタリだ。

 余談だが、焼酎は鹿児島をはじめ、アルコール度数25度というのがオーソドックスだが、宮崎の焼酎は20度のものが多い。理由は、戦後に密造酒がたくさん生産された時に、蔵がそれに対し酒税の低い20度にして、安い値段で焼酎を販売したためとか、宮崎では焼酎をお湯割りにしないで、ストレートで飲むことが多かったので、20度のほうが飲みやすいからなど、諸説ある。

 ともかく、このもも焼きと、その鶏の脂をスッキリとさせる20度の芋焼酎のロックの組み合わせは最高だ!(もちろんお湯割りも合うが…)

こちらも宮崎の鶏料理で、
すでに全国区の人気となった『チキン南蛮』

カラッと揚がった衣、甘酢の香り、そしてタルタルの甘さの三点セットがチキン南蛮の決め手。

 続いても宮崎の庶民の味としてお馴染みで、今や全国区となった鶏料理『チキン南蛮』だ。もともとは、かつて宮崎県延岡市内にあった洋食店で出されていた料理が原型で、「南蛮」という名のとおり、衣を付けて揚げた鶏肉を甘酢にさっと浸したものであった。これに後ほどタルタルが加えられて、後のチキン南蛮の形となるわけだ。最近ではパンに挟んで食べたり、カレーに乗せたりといろいろなアレンジが加えられて広がっている。

 この店のチキン南蛮はTBS系の人気番組『チューボーですよ!』で“街の巨匠”としても登場しており、もちろん、人気メニューの筆頭だ。

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橋本裕之

飲食店から蔵元訪問など、豊富な食べ飲み歩きの経験から、出版やWEBなどで、食と酒をテーマにした編集やライティングに関わる。過去の執筆に『dancyu』(プレジデント社)、『本格焼酎ぐびなび』(誠Style)など。SSI認定焼酎アドバイザー。ティーコンシェルジュ2級。


佳食漫遊!ニッポンの郷土料理

土地々々の風土に磨かれ、伝え継がれてきた日本の郷土料理を、料理の歴史や地域の慣習などを交えて紹介。その素晴らしさ、味わい深さを再確認していただければ幸いです。

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