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ワークス研究所の労働市場最前線

キャリアにおける漂流と熟達の分岐点
「まったく異なる職務への異動」に伴う
困難を克服する

笠井恵美 [リクルートワークス研究所主任研究員]
【第16回】 2011年8月25日
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異動は一皮むける機会であると同時に
大きなストレスをもたらす

 多くの企業では毎年、4月や10月、あるいは7月といった決まった時期に人事異動が行われている。場合によっては、不定期に毎月なにがしかの異動が行われている企業もある。異動は企業にとって一般的な事柄だが、個人にとっては人生の大きなイベントだ。希望がかなう場合もあれば、不本意な辞令もある。

 異動経験がある人は、少し思い起こしていただきたい。その異動は、自分にとって、希望にそった異動であっただろうか。データ(図表1)では、希望にもとづく異動は全体の27.2%しかない。

 では、異動の話をきいたとき、それを前向きに受け止められただろうか。

 データでみると、前向きな気持ちで受け止めた人は64.5%、すぐには受け入れられなかった人は4人に1人、23.9%である。そして、異動後に就いた仕事は、自分の好きな分野の仕事だっただろうか。YESは51.8%、NOが48.2%。結果として、異動したことはよかっただろうか。データでは、、YESは61.3%、NOが38.7%である。

 異動は、リーダーシップ開発において役立つ“一皮むける経験”の機会とされる一方(ワークス研究所調査・ミドル)、仕事や職業生活における強いストレスの一因にもなっている(厚生労働省 平成19年労働者健康状況調査)。異動は、両刃の刃である。

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笠井恵美 [リクルートワークス研究所主任研究員]

(かさいえみ)日本女子大学文学部卒業後、株式会社リクルート入社。就職情報誌、人材マネジメント関連専門誌の編集・執筆等を経て、2003年より現職。職業における個人の成長や発達をテーマに、調査や研究を行っている。


ワークス研究所の労働市場最前線

超就職氷河期、非正規社員の比率の高まり、社内教育制度の限界など日本の労働市場は、大きな転換期にある。労働市場の研究所として名高いリクルート社のワークス研究所の研究員が、就職、転職、キャリアパス、制度問題など、労働市場を360度の視点から縦横に分析する。

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