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本荘修二の実践講座! 社員を動かすウェブ

専門家集団PTCの知識共有術に学ぶ
「属人的職人芸」社員を増やさないコツ

本荘修二 [新事業コンサルタント]
【第8回】 2009年10月9日
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 高度に専門的な製品やサービスを取り扱う企業では、研究開発に限らず多くの部門での情報や専門知識の共有が必須だ。しかし、グローバル展開し、世界に多くの顧客を持ち、多数のパートナーとビジネスをするとなると、そう簡単にはいかない。

 その典型とも言える製品開発ソリューションを提供するパラメトリック・テクノロジー・コーポレーション(以下PTC、米国本社へのリンク先)の例を、今後二回にわたって紹介したい。今回は二年間に渡る社内でのエキスパート・プラットフォームの整備について、次回は外部のパートナーを巻き込んだ展開について、取り上げる。

30カ国の手強い顧客に
個人芸で対応は困難

 1985 年創業のPTC は、30カ国で4万を越える企業に対して、ソフトウェアを中心に製品開発プロセス最適化のためのソリューションを提供している。売上高は約1000億円(10億7500万ドル、2008年9月期)。これまで、本分野の主要企業を20社近く買収し、約5000人の従業員を擁している。

 メーカーにとって製品開発は最も重要なビジネス・プロセスであり、製品だけでなく、システム導入や増強、メンテナンスなどのサービス、そして営業、サポートなどPTCに求められる専門性と対応の的確さのレベルは高い。さらに、PTCのソリューションの種類も幅広い。

 しかも、顧客の業界は、エレクトロニクス、ハイテク、輸送機械、産業機械、消費財など多岐に渡り、キャタピラー、ハネウェル、3M、ナイキなど手強い顧客が名を連ねている。当然ながら各業界のビジネスについて深い理解が求められる。

 成長を続けてきたPTCだが、これだけ地域的に分散していると、人材も知識もバラバラでつながり難くなる。しかも、度重なる買収は人材の統合の労を多くする。

 それに伴いPTC では次のような問題が生じていた。

 まず、世界中、そして異なる組織に散らばる情報源や専門家にたどりつけなかった。必要な知識(コンテンツ)や該当する専門性を持つ人が探せなければ、二度手間・三度手間になり、時間もかかりアウトプットの質も下がりかねない。

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本荘修二 [新事業コンサルタント]

多摩大学客員教授、早稲田大学学術博士(国際経営)。ボストン・コンサルティング・グループ、米CSC、CSK/セガ・グループ会長付、ジェネラルアトランティック日本代表を経て、現在は本荘事務所代表。500 Startups、NetService Ventures Groupほか日米企業のアドバイザーでもある。


本荘修二の実践講座! 社員を動かすウェブ

グループウェアに始まり、ナレッジマネジメント、最近ではEIP(企業内情報ポータル)と、話題の概念で語られ続けてきた社員向け情報システム。企業にとって永遠の課題である社内ウェブの理想的な作り方を、先進事例を紹介しながら探る。

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