野村が主幹事のスキームは資料上、「第三者割当による行使価額修正条項付き新株予約権(行使指定・停止指定条項付)」と表題も複雑 Photo:Bloomberg/gettyimages

 “新型MSCB”。野村證券のホールセール(法人営業)の一角でこう称される、新株予約権を用いた資金調達がにわかに人気を集めている。

 本誌の調べによると、今年は東証1部上場の繊維機械大手、島精機製作所や、外食チェーングループのヴィア・ホールディングスなど5社がこのスキームでの資金調達を実施した。既に昨年の発行数を上回っている。各社の開示資料は20~30ページに及び、一般人には複雑怪奇な文字列にも映る長大なものだ。

 そもそも新株予約権とは、あらかじめ定められた条件で企業へ株式の発行や提供を求め、それを購入できる権利を指す。今回のスキームは、まず新株予約権そのものを引き受けた野村が、市場動向を見ながら段階的に権利を行使。そして行使した分の金額が発行会社に入る際、野村が一定期間行使しなければ、発行会社が強制的に指定数の新株予約権を行使させる条項や、逆に行使させない停止期間に関する条項が付いている。

 またこの際、野村は市場価格より1割ほど安い水準で新株予約権を行使できる。関係者によると、野村は新株予約権の行使で手にした発行会社の株を機関投資家に向けて手放し、その投資家との関係強化などにも生かしている。