経営×総務
なぜ、「戦略総務」か?
【第15回】 2017年10月19日
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豊田健一 [『月刊総務』編集長]

働き方改革は「健康経営」とセットでなければ意味がない

働き方改革は第二章の「人づくり革命」へ

 「時短」から始まった働き方改革は、ここにきて生産性向上が主要なテーマとなってきている。仕事量が同じなまま、働く時間を減らしたところで、どこかにしわ寄せがくる。自宅に持ち帰るか、スタバでやるか。働き方改革とは、そもそも仕事の効率を高めることが本質であると気づいたからにほかならない。

 では、生産性向上のために何をすべきなのか。そもそも仕事とは、最少のインプットで、最大の価値を作り出すことにある。できるだけ少ない労力と時間、最も効率の良い手段、プロセスで、結果として最も安価な費用で、多くの価値(=目的の達成)を実現することである。生産性とは、いかに効率良く、価値を実現するか、その度合いのことで、「生産性=提供価値/投入資源」という図式になる。

 仕事の効率化には、仕事のしかたや仕組み、流れを変える業務改善もさることながら、働く人の質を高める必要もある。そこで、解散前の安倍内閣が掲げた「人づくり革命」が登場してくるのだ。人材教育、社会人になってからの学び直し、リカレント教育の重要性が叫ばれている。人材教育に対する、さまざまな助成、税控除などいろいろな施策が検討され始めていた。

 AIの進展も人材教育に拍車をかけている。2045年、コンピューターが人間の能力を超える技術的特異点、「シンギュラリティ」がくると言われる。ある研究によると、現在人間が行っている仕事の4割がAIに置き換わるとの調査もある。AIに指示されて仕事をすることが現実となるかもしれない。人間はAIに使われる人になるのか、AIを使う人になるのか。大きな分岐点が目前に迫っている。

 人材教育の機会が増えたとしても、結局、その教育を受けるのは、個々の人である。その人の意欲が高まらないと、参加したとしても身に付かない。仕事で疲弊した状態では身に付くはずもないし、心身に不調をきたしていては、そもそもやる気も起きるはずがない。先に記した業務改善にしても同様だ。働き方改革と心身ともに健康な状態の維持を目的とした健康経営は、コイン裏表の関係にあるのだ。

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豊田健一 [『月刊総務』編集長]

【経歴】早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社リクルート、株式会社魚力で総務課長などを経験後、ウィズワークス株式会社入社。現在、日本で唯一の管理部門向け専門誌『月刊総務』の取締役、事業部長兼編集長。一般社団法人ファシリティ・オフィスサービス・コンソーシアムの理事や、総務育成大学校の主席講師、All Aboutの「総務人事、社内コミュニケーション・ガイド」も務める。著書に『マンガでやさしくわかる総務の仕事』(日本能率協会マネジメントセンター刊)『経営を強くする戦略総務』(同)など。

 


なぜ、「戦略総務」か?

総務を単なる「社内の縁の下の力持ち」ではなく、コア業務の担い手、つまり"戦略総務"にすることが、会社を変革するための重要な戦略となる――。なぜ今、戦略総務なのか。その必要性について考える。

「なぜ、「戦略総務」か?」

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