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田村耕太郎の「坂の上に雲はない!」

TPP枠組みが「何も決まっていない」の根拠はこれだ!
自虐的被害妄想はやめ、交渉に参加し堂々とリードせよ

田村耕太郎
【第32回】 2011年11月8日
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誰も知らない超マイナー政策
米国では優先度も重要性も非常に低い

 日本に帰国して、グロービス社主催の「トコトン議論2:TPP編」に参加した。交渉にすら参加すべきでないとの立場の人々の議論がなかなか理解できなかった。TPPに関して各国から要望は出ているが、全く何も決まっていない。そんな段階で、「農業が全滅する」「日本の医療制度が崩壊する」等、被害妄想あふれる議論をしておられた。危惧はわかるが、「現状放置」が、窮地に陥っている日本の農業や医療制度にとってベストな選択肢であろうか?

 議論すべきは、日本の貿易政策やグローバル戦略についてのビジョンである。グローバル戦略を日本の産業や制度の改革に、いかに活かしていくかというビジョンについての議論も有意義だ。しかし、まだ何も決まっていないことについて、被害妄想としか思えない前提からスタートして、交渉にすら参加しないというのはどういうビジョンなのだろうか。日本が、根拠のない被害妄想を理由に国際的なルール作りに参加しないことが、はたして国民のために一番いいのだろうか?

 結論から言えば、交渉への参加不参加は日米関係に何の影響も与えないが、私は交渉にくらい参加すればいいと思う。その理由と根拠は以下の通りだ。

・アメリカにとってTPP政策は優先度も重要性も非常に低く、日本が参加しようがしまいが日米関係に何の影響も与えない
・日本農業をなめてはいけない。強力な輸出産業になりえるかもしれない
・国内の改革推進の機運を作ってくれるかもしれない
・中国へのカウンターバランスとしての米国や東南アジアの期待に応えるべし
・米国内でも賛否両論があり、意見集約は難航している
・それが9ヵ国となると、さらに集約は難しく、まだ何も決まっていない
・だからこそ今からでも交渉参加は遅くないし、十分に発言権はある

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田村耕太郎

エール大学、ハーバード大学元研究員。
世界で最も多くのノーベル賞受賞者を輩出したシンクタンク、ランド研究所にて唯一の日本人研究員を務めた。新日本海新聞社相談役。前大阪日日新聞代表取締役社長。国立シンガポール大学公共政策大学院元研究員。
‘02年から‘10年まで2期参議院議員を務める。その間、内閣府大臣政務官(経済財政・金融・地方分権・再チャレンジ各担当)、参議院国土交通委員長を歴任。
著書には『君は、世界を迎え撃つ準備ができているか?』『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』などがある。

 

 


田村耕太郎の「坂の上に雲はない!」

欧米だ、シンガポールだ、韓国だ、中国だ、そんなことを言っても、キャッチアップのモデルはもはや世界に存在しない。日本は日本の現状に合わせて自らをモデルチェンジするしかない。坂の上にもはや雲はない!

「田村耕太郎の「坂の上に雲はない!」」

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