佳食漫遊!ニッポンの郷土料理
【第10回】 2011年11月9日 橋本裕之

藁香るかつおの2種類のたたきで、
高知の『おきゃく』料理を満喫!

 日本の歴史上の人物の中で、もっとも人気の高い一人に挙げられるのが、土佐が生んだ幕末の英雄、坂本龍馬だ。2010年の大河ドラマ『龍馬伝』で、福山雅治が龍馬を演じて大ヒットしたのは記憶に新しい。そんなスケールの大きな傑物・龍馬を産んだ高知県のイメージといえば、雄大な自然が真っ先に思い浮かぶ。

 今回は、高知をまるごと味わえる店が東京・銀座にもあるということでやってきた。高知のアンテナショップ『まるごと高知』の2階にある『TOSA DINING おきゃく』だ。

盛りだくさんの皿鉢料理は
土佐の宴会=おきゃくを象徴する「華」

土佐っ子の宴席を象徴する皿鉢料理。今回はそのミニ版『特撰彩り皿鉢』。

「おきゃく」とは高知で宴会のことを指す言葉である。

 このおきゃくこそが、豪快な土佐っ子の精神そのものだといっても過言ではない。「皿鉢(さわち)料理」は、おきゃくを体現する高知県の郷土の味だ。これは食事の後の宴席のための料理で、その名の通り、大きな皿鉢(36センチ~45センチくらいが主流だが、さらに大きい皿もあるという)に盛られたもの。昔はハレの料理として、各地に似たようなものがあったそうだが、現在も宴席に残っているのは高知だけだという。

 これは、酒好きで宴席好きな高知人の気質ゆえに残ったという説もある。たしかにこの料理の、食卓の中央でデーンと主張する様は、正に宴席=おきゃくの「華」と言えるだろう。

 そんなわけで、高知編のスタートは「特撰彩り皿鉢」だ。土佐の皿鉢料理の雰囲気を味わうには持ってこいの一品。この日は「清水サバの押し寿司」「カツオのたたき柚子ポン酢」「鮎のけんちん蒸し」「しし唐とおかか」「四万十川の川海老の唐揚げ」「豚の角煮」「羊羹」と、計7品のつまみが皿に並んでいた。

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橋本裕之

飲食店から蔵元訪問など、豊富な食べ飲み歩きの経験から、出版やWEBなどで、食と酒をテーマにした編集やライティングに関わる。過去の執筆に『dancyu』(プレジデント社)、『本格焼酎ぐびなび』(誠Style)など。SSI認定焼酎アドバイザー。ティーコンシェルジュ2級。


佳食漫遊!ニッポンの郷土料理

土地々々の風土に磨かれ、伝え継がれてきた日本の郷土料理を、料理の歴史や地域の慣習などを交えて紹介。その素晴らしさ、味わい深さを再確認していただければ幸いです。

「佳食漫遊!ニッポンの郷土料理」

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