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日本一のチームをつくる
【第2回】 2011年11月15日
著者・コラム紹介バックナンバー
藤井純一 [北海道日本ハムファイターズ前代表取締役社長]

サポーターであり続けてもらうために
ともに行動し築いた一体感ーーセレッソ大阪

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プロ野球とJリーグの両方で社長を務めた初めての男、藤井純一氏による集中連載。第2回は、ファイターズへも継承されていくセレッソ時代のサポーターとの向き合い方を、エピソードを交えて紹介する。

サポーターとのつながりを深める

 アドバイザリー契約を結んだドイツのバイエルン・ミュンヘンから学んだこと(第1回記事参照)に、我々自身のアイデアと戦略をミックスした形が奏功し始め、セレッソ大阪のファン、つまりサッカーで言うところのサポーターは日増しに増加した。このサポーターこそがクラブ運営のなかでももっとも重要な存在であることは間違いない。しかし、さらに重要なのは「サポーターであり続けてもらうこと」だ。

 そのためのひとつの策として、二カ月に一回「サポーターズミーティング」を開いたのは、画期的な試みだった。二カ月に一回というのはかなりの頻度である。これはサポーターと我々とのコミュニケーションを深めるための、定期的な話し合いの場だった。

 その場で、第一に心がけたのは情報の公開である。チームや選手についての情報はもちろん、経営をめぐる情報もつぶさに話した。サポーターからの疑問にもできうる限りきちんと答えた。

 第二の心がけは、懇切で素早い対応。サポーターたちの要望はとことん聞き、できることはすぐに実行した。「応援ボードを作ってほしい」と言われたら、翌日には完成品を手元に届けた。

 そして第三に、サポーター同士の関係を円満なものにするよう、心を配ることが不可欠だった。数が増えてくるにつれ、サポーター間にも様々な関係性が生まれる。ときにはちょっとしたことで揉めたりすることも出てくる。サポーターズミーティングは、そうした問題を解決する場でもあった。

 サポーター間のトラブルという点では、こんなこともあった。ある試合中、観客同士で突発的な喧嘩沙汰が起こった。その仲裁に、現役を引退したばかりでユースチームのコーチをしていた元選手を駆り出したのである。すると、これがピタリとおさまる。彼が割って入ると、「うわあ、なんで!?」と客もびっくり。喧嘩どころではなくなるというわけだ。ファンサービスとは言えないが、ある意味サポーターにクラブとの距離の近さを感じてもらえたのではないかと思う。

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藤井純一 [北海道日本ハムファイターズ前代表取締役社長]

1949年大阪府生まれ。近畿大学農学部水産学科卒業後、日本ハムに入社。京都・奈良の営業所を経て、本社へ。営業企画、広告宣伝を経て、1997年、Jリーグクラブのセレッソ大阪(大阪サッカークラブ株式会社)取締役事業本部長に就任、2000年に同社代表取締役社長。
一旦本社に戻った後の2005年、株式会社北海道日本ハムファイターズ常務執行役員事業本部長に就任。翌年より代表取締役社長。日本一(2006年)という成績面だけでなく、経営の黒字転換、本拠移転からの地域密着という難しいミッションを中心的に進めた。現在は、近畿大学経営学部教授。


日本一のチームをつくる

2004 年、日本ハムファイターズは、本拠地を札幌ドームへ移転した。そのファイターズに黒字転換と地域密着というミッションをもって送り込まれたのが、以前にJ リーグのセレッソ大阪の社長を務め、赤字だったクラブの経営を軌道に載せた藤井純一である。
彼はセレッソ大阪での経験を生かし、様々なアイデアを繰り出した。その裏でコスト削減にはより厳しい目を持った。その結果、2006 年以降、観客動員数は160 万人、183 万人、187 万人、199 万人と増え続けた。そして、2006 年の日本一を経て、チームも強豪に変貌した。
本稿では、藤井氏が北海道日本ハムファイターズで地域密着のミッションを成功させた軌跡、それを支えたセレッソ大阪での経験の一部を紹介する。

「日本一のチームをつくる」

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