視野を広げるきっかけとなる書籍をビジネスパーソン向けに厳選し、ダイジェストにして配信する「SERENDIP(セレンディップ)」。この連載では、経営層・管理層の新たな発想のきっかけになる書籍を、SERENDIP編集部のシニア・エディターである浅羽登志也氏がベンチャー起業やその後の経営者としての経験などからレビューします。

謝罪の仕方が悪いと「炎上」に油を注ぐことに

 最近、テレビで「謝罪会見」を目にする頻度が多い気がする。

 謝罪会見は、不祥事を起こした企業や有名人が、文字通り世間に「謝罪」するために開かれる。顧客やファンだけでなく、直接は関係のない世間一般の人々も謝罪の対象であり、状況を説明するなどして皆の怒りを鎮めるのが大きな目的となる。

 しかしせっかく会見を開いても、謝罪の仕方に問題があるとして、SNS上でいわゆる「炎上」を招くことも少なくない。そうなると、取り返しのつかないイメージダウンにもつながりかねない。

 月刊誌『広報会議』(宣伝会議刊)の調査によると、2016年の謝罪会見でイメージダウンとなった「ワースト3」は「舛添要一前東京都知事政治資金問題」「ベッキー&ゲスの極み乙女。川谷の不倫騒動」「電通の新入社員過労自殺」だった。

 いずれも記憶に新しいが、この3件にはある共通点が見られる。会見で当事者本人や企業トップが話した内容に嘘や隠蔽があったことだ。その情報がネット上に流出して拡散し炎上。世間の怒りを鎮めるどころか、火に油を注ぐ羽目になった。

 今はネットであらゆる情報が手に入る。嘘をつき通すのが難しい時代なのだ。どうせバレるのならきちんと真実を話し、自らの非を認めて謝るのが得策だ。

 有名人ではない私たちは、滅多なことがない限り謝罪会見をすることはないだろうが、誰かに謝らなくてはいけない場面にはしばしば遭遇する。それに、SNSの何気ない書き込みが炎上する可能性も十分考えられる。そうした時に、我が身に振り向けられた「怒り」を鎮めるには、どうしたらいいだろう。