経営×総務
なぜ、「戦略総務」か?
【第16回】 2017年11月20日
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豊田健一 [『月刊総務』編集長]

数字を把握していない総務が招く「間違ったコスト削減」

 日々、総務のプロや総務に関係する専門家を取材して感じるのは、総務が現場に精通することの重要性だ。定性的な情報もさることながら、データ、定量的な情報の把握の重要性である。

 定性的な情報とは、現場での仕事の仕方や課題、従業員の思いである。それに応えるためにも現場の仕事に関係する最新情報の収集は必須だ。特にITの最新技術やサービスの把握は重要である。定量的な情報とは、現場の仕事に関するデータである。たとえば、従業員満足調査から、働き方の実態調査のようなアンケートデータ、そして総務管轄のコストデータといったものである。

 今回は、具体的に論じられることが少ない総務管轄コストとその削減の仕方について考えて行きたい。

総務も数値・データを把握しなければ
コスト削減はできない

 総務管轄のコストには、「総務が直接的に管理をするコスト」と、「総務の影響力があるコスト」の2つがある。直接的管理コストは、本社内で発生するコピー料金や備品の購入代金など、総務部が直接管理しているコストである。影響力のあるコストとは、大元の契約は総務が行うのだが、各部門に割り振られ、その部門のPL(損益計算書)内にて管理されるコストである。

 企業によくある話として、全社の賃借料を総務が把握していなケースがある。本社の賃借料であっても、各部門に按分され、総コストを総務部が把握していない。各支社、営業所の賃借料においては、全く知らない、というケースまである。

 本社ビルも各営業所も、賃料の契約は総務が締結している場合がほとんどで、その際の契約交渉が賃借料に大きく影響しているが、契約締結後は関与しない。結果、コストも把握していないというわけだ。

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豊田健一 [『月刊総務』編集長]

【経歴】早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社リクルート、株式会社魚力で総務課長などを経験後、ウィズワークス株式会社入社。現在、日本で唯一の管理部門向け専門誌『月刊総務』の取締役、事業部長兼編集長。一般社団法人ファシリティ・オフィスサービス・コンソーシアムの理事や、総務育成大学校の主席講師、All Aboutの「総務人事、社内コミュニケーション・ガイド」も務める。著書に『マンガでやさしくわかる総務の仕事』(日本能率協会マネジメントセンター刊)『経営を強くする戦略総務』(同)など。

 


なぜ、「戦略総務」か?

総務を単なる「社内の縁の下の力持ち」ではなく、コア業務の担い手、つまり"戦略総務"にすることが、会社を変革するための重要な戦略となる――。なぜ今、戦略総務なのか。その必要性について考える。

「なぜ、「戦略総務」か?」

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