「自動ロスカット」を導入し
業界はすでに自主規制

 金融庁は今後、法案作成に当たる構えだが、業界も黙ってはいられない。店頭大手のマネーパートナーズの奥山泰全代表取締役社長は、金融庁に問い合わせを行い、その回答を9月28日付けの自社プレスリリースで公開するなど、規制強化に疑問を投げかける。

 奥山社長は、「2009年のレバ規制に合わせて、すべてのFX業者が『自動ロスカット』を自主規制として導入している。これは、証拠金維持率が各業者の定める水準を下回った時点で顧客の損失を限定させるべく反対決済を行う仕組みだ。金商法の25倍規制と、自動ロスカットの“ミックスアプローチ”により、顧客の損失が大きくなり過ぎないようにしている。これは世界に誇れるセーフティネットだ」と話す。

 日本の業者は、投資家の証拠金不足による未収金は減少傾向にあり、店頭業者は自己資本を積み増す努力を重ねている。「自主規制や対策がワークしているのに、規制を強化させる必要はない。本質ではないところに理由があるのではないかと邪推されても仕方がないのではないか」(奥山氏)。

 ただ、奥山氏は「個人投資家の声を根拠にするのではなく、あくまでも健全な取引にとって本当に必要な規制なのかどうかを見極めて、建設的に金融庁と対話していきたい」と冷静に話す。

 このように見ていくと、今回の規制は思惑通りにいかない取引所が、好調な店頭取引にあてこすりをしているかのようにも受け取れる。国策で「貯蓄から投資へ」と促している以上、民間の業者や個人投資家など、参加者全てが理解できる根拠を示し、透明性の高い議論をする必要があるのではないだろうか。