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金融市場異論百出

BMWで泣くほうがいい?
中国に根づく拝金主義の風潮

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2011年12月7日
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 中国甘粛省で11月16日に、幼稚園児19人が亡くなる痛ましいバス事故が起きた。同省は貧しい地域であり、1人当たりGDPは中国全土で下から3番目である。中央政府は空前の税収増にわき、沿岸部の富裕層からは、所得税の最高税率を引き下げるべきだという主張が聞かれ始めているというのに、低所得地域の教育制度には財政資金が投入されてこなかった。

 11月24日付の中国「南方週末」紙は、1面トップに、甘粛省の農村部で、寒風のなか、農業用小型3輪トラックの荷台に十数人の中学生が立ち乗りして学校に通っている様子の写真を大きく掲載した。「子どもたちに“オレンジ色の特権”を与えよ」と同紙は強く主張している。“オレンジ色の特権”とは、米国などでオレンジ色の安全な大型スクールバスが運行されていることを指している。

 興味深いのは、その同じ1面の下半分を占める大きな広告である。BMWがV型8気筒ツインターボエンジンを搭載した新型M5の中国デビューを謳っている。日本なら1500万円近い超高級車だ。最近の同社は他の新聞の1面でもM5を大々的に宣伝している。日本ではそのような広告は考えにくい。M5を買う富裕層が中国には多いと同社は目論んでいるようだ。「真のドライブの喜び。0-100km/h加速4.4秒」。甘粛省の3輪トラックの写真とじつに対照的である。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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