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「野菜が最初」ではなく「糖質を最後」が正解、食べ順で血糖値急上昇抑制

井手ゆきえ [医学ライター]
【第370回】

 食べる順番ダイエット、なるものがある。食事の際に、いきなり「主食」から食べ始めず、食物繊維たっぷりの野菜から食べる、というもの。

 美容目的だけではなく、食後に生じる血糖値の急上昇(血糖値スパイク)を抑えるため、糖尿病予備群や2型糖尿病の患者にも“処方”される。

 その食べる順番だが「野菜を先に食べれば、後はどうでもいい」と勘違いしている人が多い。肝心要は「野菜が最初(ベジ・ファースト)」ではなく、「糖質が最後(カーボ・ラスト)」なのだ。

 米ウェイル・コーネル医科大学の研究者らは、2型糖尿病患者16人(男性7人、女性9人)を対象に、食べる順番が血糖値に与える影響を調査。被験者の平均年齢は57.7歳、BMI(体格指数)は平均32.8と立派な肥満体形である。血糖値は糖尿病と診断される範囲だった。

 参加者は隔週で、

 (1)カーボ・ファースト(最初の10分でパンとオレンジジュースを食べ、10分休憩後、残り10分で鶏胸肉のグリルとレタス、トマト、キュウリのサラダを食べる)。

 (2)カーボ・ラスト(最初の10分で鶏胸肉のグリルとサラダを食べ、10分休憩後、残り10分でパンとジュースを食べる)。

 (3)サンドイッチ(同じ材料でチキンサラダのサンドイッチを作り、最初の10分でサンドイッチの半分とジュースを食べ、10分休憩後、残りを食べる)という3パターンにトライ。それぞれ食前と食後3時間まで30分ごとに採血し、血糖値と血糖を下げるインスリンの分泌量が比較された。

 その結果、(2)のカーボ・ラストでは食後の急激な血糖値スパイクはなく、ゆるゆるまったり血糖値が上昇。インスリンの分泌量も有意に抑えられていた。

 食後の血糖値スパイクは近年、血管ボロボロの犯人として注目されている。2型糖尿病どころか、心筋梗塞や脳卒中、そして認知症の発症リスクになるからだ。

 とはいえ、カーボ=糖質がゼロ、というのは物足りないうえに、お財布にも厳しい。食べる順番で善処できるならお安いものである。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 


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