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エコカー大戦争!

スマホがクルマを潰す時・PART2――日本型最新テレマティクス「ITSスポット」は本当に必要か?

桃田健史 [ジャーナリスト]
【第97回】 2011年12月27日
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世界屈指の
交通管制室の現場より

 東京霞ヶ関・国土交通省発着のバスツアーに出かけた。マイクロバスは首相官邸を左手に、国会議事堂を右手に見ながら千代田区永田町内を進む。国会図書館新館を右手に見て、隼町交差点を抜けてすぐ、バスは最高裁判所の裏手の向いにあるビルの前で止まった。空を見上げるとそこは、首都高速都心環状線と同4号線新宿線が交差している。

首都高速・西東京管理局・交通管制室。同室内には、巨大プロジェクターを前に、緊張した空気が漂う。
Photo by Kenji Momota

 この合流ポイントに隣接する同ビル内に、首都高速・西東京管理局・交通管制室がある。皮靴からスリッパに履き替え同室内に入ると、そこにはピーンと張り詰めた空気があった。目の前には、2年前に導入された縦3.7m×横17mの巨大プロジェクターの大迫力。これは1面が縦1830mm×横2440mmのプロジェクターを、縦2面×横7列に敷き詰めたものだ。

 取材時、プロジェクター全体の向かって右側2列が首都高速各所のライブ映像、左側2列には山手トンネル内の映像と走行状況の表示。そして中央3列が首都高速全体の渋滞状況を各色で表示していた。その色分けは、紫が「重渋滞」(10km/h以下)、赤が「軽渋滞」(10~20km/h)、橙が「重混雑」(20~30km/h)、黄が「軽混雑」(30~40km/h)、40km/h以上は「自然流」で白い表示色だ。

 首都高速は2010年7月時点で営業総延長299km、1日の平均利用台数(2009年実績)は約112万台だ。交通の基本情報は、車両感知器、交通管制用カメラ、風向風速計、非常電話、パトロールカー等を通じて収集し、交通管制室の巨大プロジェクターに表示する。そうした情報はまた、図形所要時間表示板、街路図形情報板、渋滞末尾情報板、文字情報板、街路文字情報板、所要時間表示板、風速表示板、さらに「ITSスポット」へ提供される。

「ITSスポット」とは何か?

 ITSとは、インテリジェント・トランスポート・システムズ(高度道路交通システム)。本連載でも度々紹介しているテレマティクスの一部だ。そしてITSスポットとは、車両と情報交換をするために道路側に設置された通信機材の総称だ。

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桃田健史 [ジャーナリスト]

日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなど米国レースにレーサーとしても参戦。自動車雑誌に多数の連載を持つほか、「Automotive Technology」誌(日経BP社)でBRICs取材、日本テレビでレース中継番組の解説などを務める。1962年生まれ。著書「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」好評発売中


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