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スマートフォンの理想と現実

LTE本格化、画面大型化、高機能リモコン化、エコシステムの変化――CESで占う2012年スマホ・トレンドとその背景

クロサカタツヤ [株式会社 企/株式会社TNC 代表]
【第15回】 2012年1月12日
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 世界最大級のデジタル関連の展示会International CESが、米国ラスベガスで1月10日から始まった。

 ケータイ産業の展示会といえば、毎年2月頃に欧州で開催される「モバイル・ワールド・コングレス」が有名だが、スマートフォン・シフトが進む昨今、その開発拠点であるシリコンバレーを擁する米国のCESでも、新製品の発表が相次いでいる。

 すでにWebメディアをはじめ、新製品の報道はあちこちで行われている。そこで本連載では少し視点を変えて、CESから占う2012年のスマートフォンのトレンドを、整理しておきたい。

LTE対応の本格化

 今年のCESで発表された高機能スマートフォンのほとんどは、LTE対応を謳っている。MWCも含め、昨年はまだここまでLTE一色という状況ではなかったことを考えると、これは普及に向けた大きな前進である。

 LTE対応なんて当たり前ではないか――そう思われるかもしれないが、これはケータイ産業という視点からすれば、それなりに感慨深い。というのは、リーマンショック直後の2009年頃から、「次世代規格はLTE」「世界経済の回復を牽引するのはLTE投資」という声がしばしば聞かれたものの、肝心の端末がなかなか登場しない状態だったからだ。

 本連載の読者であれば重々ご承知だろうが、ケータイの規格は、基地局と端末の普及がセットで揃わなければ、先に進まない。そのためにはまず基地局の敷設から進めなければならないが、ということは端末のない状態、すなわち「存在しない市場」への投資がはじめの一歩となる。

 特にケータイの場合、通信規格のライフサイクルは長い。旬の期間でも10年程度、実際に規格の寿命が尽きるのは20年程度である。世界的には2GであるGSMがまだ現役だし、日本の2Gサービスが終了したのも昨年の話である。

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クロサカタツヤ[株式会社 企/株式会社TNC 代表]

1975年生まれ。慶應義塾大学・大学院(政策・メディア研究科)修了後、三菱総合研究所にて情報通信分野のコンサルティングや国内外の政策調査等に従事。その後2007年に独立し、現在は株式会社企(くわだて)代表として、通信・メディア産業の経営戦略立案や資本政策のアドバイザー業務を行う。


スマートフォンの理想と現実

2011年はスマートフォンの普及が本格化する年になる…。業界関係者の誰しもがそう予感していた矢先に発生した東日本大震災は、社会におけるケータイの位置づけを大きく変えた。しかし、スマートフォンの生産に影響が及びつつも、通信事業者各社はその普及を引き続き目指し、消費者もまたそれに呼応している。震災を受けて日本社会自体が変わらなければならない時に、スマホを含むケータイはどんな役割を果たしうるのか。ユーザー意識、端末開発、インフラ動向、ビジネスモデル等、様々な観点からその可能性と課題に迫る。

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