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田村耕太郎の「坂の上に雲はない!」

潜在成長力が魅力のインド最大の課題は
中国をも上回る“汚職大国”からの脱皮

田村耕太郎
【第37回】 2012年1月16日
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“可能性の国”インド進出に
出足鈍い日本企業

 今年は日本でインドブームが起きそうだ。インドは十数年後には中国を抜いて世界最大の人口を誇る国になると予測されており、高齢化が急速に進行する中国とは違い、平均年齢25歳強という若さが売りだ。今年の経済成長率も8%近いと言われ、可能性は大きい。

 その可能性にもかかわらず、今日まで日本企業のインドへの動きは鈍い。中国に進出している日本企業は約3万社に対して、インドへ進出している日本企業数は700社を超える程度。

 なぜ中国に比べて、日本企業が進出に二の足を踏んでいるのか?色々理由はあるだろう。中国に比べて、インドは日本から遠いし、衛生状態は悪いし、食べ物も大きく違う。インドで行われた水泳競技会で、英豪選手7名が下痢になったとの報道もあった。

北京五輪と英連邦競技会に見る
中国とインドの圧倒的な差

 企業から見て中国との最も致命的な違いは、インフラ整備である。国家主導で急速にインフラが整備される中国に比して、インドは一向に整備されない。顕著な例が、2008年に中国の首都北京で行われたオリンピックと、2010年にインドの首都デリーで行われた英連邦競技会である。オリンピック会場も国内外からの会場への交通も迅速に整備された北京オリンピック。一方のデリーでの、英連邦に属する77ヵ国・地域のスポーツ選手が参加する英連邦競技大会(コモンウェルスゲーム)向けのインフラ整備は、問題山積であった。

 直前まで、ホテルの整備やデリーと近郊州の交通網整備も遅れ、選手村の劣悪な住環境や競技施設の手抜き工事が明らかになり、不参加をにおわす選手や国が相次いだ。数ヵ月前には大会準備にからむ汚職が発覚、議会は非難の的となった。開幕2週間ほど前には、メーン会場近くで歩道橋が工事中に崩落し、開催が危ぶまれたほどだ。

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田村耕太郎

エール大学、ハーバード大学元研究員。
世界で最も多くのノーベル賞受賞者を輩出したシンクタンク、ランド研究所にて唯一の日本人研究員を務めた。新日本海新聞社相談役。前大阪日日新聞代表取締役社長。国立シンガポール大学公共政策大学院元研究員。
‘02年から‘10年まで2期参議院議員を務める。その間、内閣府大臣政務官(経済財政・金融・地方分権・再チャレンジ各担当)、参議院国土交通委員長を歴任。
著書には『君は、世界を迎え撃つ準備ができているか?』『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』などがある。

 

 


田村耕太郎の「坂の上に雲はない!」

欧米だ、シンガポールだ、韓国だ、中国だ、そんなことを言っても、キャッチアップのモデルはもはや世界に存在しない。日本は日本の現状に合わせて自らをモデルチェンジするしかない。坂の上にもはや雲はない!

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