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【栃木県】地味で目立たず、鋭い意見も
栃木弁では親しみやすく

都道府県データ:Vol.28

岩中祥史 [出版プロデューサー]
【第28回】 2010年2月15日
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 「来てみたら住みたくなった栃木県」。 “日本一影が薄い”としばしば揶揄される栃木県のイメージを払拭しようと、同県経済同友会が昨年実施したキャッチフレーズ・コンテストで最優秀作品に選ばれた言葉だという。確かに、日光や那須塩原と言われればピンと来るのに、栃木県がどこにあるのか、地図上で正しく指さすことができないという人は関東在住者でも多いのではないか。とにかく、地味なのだ。

 その栃木県が、岐阜の「阜」や埼玉の「埼」などとともに、県名にある「栃」が常用漢字に新しく加えられそうだというので、話題になっている。これらの漢字はそれ以外で目にすることはまずないから、当然といえば当然かもしれない。

 県のイメージと、出身者の性格・気質というのは意外と重なり合っているものである。だとすると、栃木県人も、あまり目立たないということになる。なるほど、栃木県の人は総じて冷静沈着だし、おとなしい印象がある。

隣は何をする人ぞ
パチンコなど機械相手なら周囲を気にせず遊べる

 「隣は何をする人ぞ」「自分は自分、人は人」といった考え方をする人も多い。人口一万人当たりのパチンコ台数が全国トップというのは、その影響かもしれない。パチンコで遊んだ人ならすぐわかるが、相手は機械だから、周囲の視線や思惑をまったく気にしないで遊ぶことができる。

 そうしたなか、近頃話題になっているのは栃木弁である。かつて自民党内で一派を率い、総裁選にも何度か出馬した故・渡辺美智雄氏(渡辺喜美議員の父)は、その話しっぷりがいつも話題になった。

 ズーズー弁でもない、また共通語とアクセントが大きく異なるわけでもない。だが、なんともユーモラスというか、素朴な味わいに満ちている。それが、聞く者の心を妙に癒してくれるのだ。かなり先鋭的な内容でも、ほわーんとした栃木弁で包むとそうでもなく聞こえるから不思議だ。

 だから、お付き合いするにあたっては、常にそのことを意識しておく必要があるかもしれない。そうでないと、こちらの望みなどどこへやら、いつの間にか相手の意のままになってしまいそうである。


◆栃木県データ◆県庁所在地:宇都宮市/県知事:福田富一/人口:200万3954人(H21年)/面積:6408平方キロメートル/農業産出額:2634億円(H19年)/県の木:トチノキ/県の花:やしおつつじ/県の鳥:オオルリ

データはすべて、記事発表当時のものです

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岩中祥史 [出版プロデューサー]

1950年、愛知県生まれ。東京大学文学部卒。出版社に勤務後、独立して編集企画会社エディットハウスを設立し、現在、代表。著書に、最新刊『日本を変える「名古屋脳」』(三五館)、『アナログ主義の情報術』(梧桐書院)、『出身県でわかる人の性格』『札幌学』、『博多学』、『名古屋学』(新潮文庫)などがある。各県の気質を調査した、現代県民性評論の第一人者。

 


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