メディアの特有の解散願望

 通常国会が開会した。私はメディアが報道(期待)している、今年中の解散総選挙はないとみる。

 まず、メディアが仕掛けること自体、信用してはいけない。メディアが解散を望むのは“数字”のためである。国家のためではない。選挙広告とは、莫大なボーナスなのだ。選挙前から政党や政府から巨額の広告が出るし、国民の注目も集まるので、新聞の部数もテレビの視聴率も上がる。選挙期間中も、公費での政党や候補者の宣伝が入る。選挙の年は広告収入が3割くらいアップするといわれる。

 長引く経済停滞でメディア収入が苦しい今日こそ、メディアは選挙頼みとなる。メディアの経営サイドに言わせれば「毎年選挙をやってほしい」というのが本音だ。報道により解散総選挙を既成事実化して、国や政治体制がどうなろうが、「自社の収益のために選挙が起きてほしい」と思うのが民営メディアの宿命なのだ。

 また、選挙の結果政治体制がさらに混乱したらしたで、それが報道のネタになり、数字が取れるかもしれない。「不満」や「不安」は数字につながる「共感」の一種である。それを煽れて数字が取れれば、メディアには美味しい。

 まず、メディアの「解散願望」に基づく報道を一歩引いてみることが必要だ。

 では解散できない理由を私なりに挙げていこう。解散には以下の要素が不可欠だ。

  ●胆力
  ●勝算(情報)
  ●お金