Ms.BOPチームの「新興国ソーシャルビジネス」最前線
【第6回】 2012年3月6日
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槌屋詩野 [(株)日本総合研究所 ヨーロッパ 新興国&社会的投資リサーチャー]

【アフリカ市場】
夜明けを迎えるソーシャルビジネスを
成功させるリーダーシップとは 日本総合研究所ヨーロッパ新興国&社会的投資リサーチャー 槌屋詩野

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前回は中国市場の農村部の実情をお知らせした。今回はインド、中国とは異なるレベルにあるアフリカ市場を取り上げる。未熟な社会インフラを埋めるべく起業家達が活躍し、その状況がソーシャルビジネスと密接に関係する様子をご紹介する。

 アフリカは、今、ソーシャルビジネスの夜明けを迎え、アフリカの本命ビジネスが始まろうとしている。今回は、アフリカが次なる成長市場としての注目を浴びながら、ビジネスのあり方を模索しつつある様子をご紹介する。ソーシャルビジネスの定義にあてはまるかどうかは別として、今やアフリカでは全てのビジネスが国の根幹づくり、人づくりとなっている。

 本編では、アフリカが私たちに教えてくれた「ソーシャルビジネスのもう一面」、リーダーシップについて焦点を当てる。アフリカは、まさにソーシャルビジネスのシリコンバレーといえる。変化の激しいドッグイヤーのように技術もアイデアも進化していく。自分の頭脳とアイデアと実力を試したい強者たちが飛び込んで行くフィールドだ。それを十分に感じていただきたい。

アフリカの発展が遅れたのは
必要な資金が回らなかったから

 アフリカは、長い間国際社会から見捨てられて来た。大陸は古い地質で肥沃土が少ないにもかかわらず、人口は爆発的に増えている。疫病も多く、政治も不安定。十分な教育が行き届かないことが原因で、その人口をうまく使えていない。

 こうした評価が一般的である一方で、アフリカからは優秀な企業や人材が多く排出されている。「アフリカは搾取されつづけてきた、援助漬けだ」と人々は言うが、それはアフリカに「ビジネスを回すだけのお金」が行き届かなかったからだ。

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槌屋詩野 [(株)日本総合研究所 ヨーロッパ 新興国&社会的投資リサーチャー]

つちや・しの/国際協力NGO勤務後、2006年東京大学大学院総合文化研究科修了、日本総合研究所創発戦略センター入社。環境事業立案、環境・社会的投資に従事後、多国籍企業の途上国におけるソーシャルビジネス研究を本格化。2009年よりイギリスに移り、世界中のプロジェクトを担当し、国際的に研究を続ける。『BOPビジネス入門―パートナーシップで世界の貧困に挑む』共著(中央経済社)他。


Ms.BOPチームの「新興国ソーシャルビジネス」最前線

日本で「ソーシャルビジネス」という言葉が紹介された当初は、海外から持ち込まれるカタカナ経営用語の一つというとらえ方をされていた。だが昨今話題になるソーシャル・ビジネスは、「地域社会やコミュニティが抱える社会的課題を解決する」という面だけではなく、「社会構造を根本的に変える」イノベーティブな発想も内包する。市場のルール自体を変えるチェンジメイカーだ。インド、中国内陸部、アフリカ、東南アジアにおけるソーシャルビジネスの最新事例を基に、日本総研の女性チームがその実体験と分析を紹介する。

「Ms.BOPチームの「新興国ソーシャルビジネス」最前線」

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