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次世代に引き継ぐ大震災の教訓

原発に頼らない地域振興の計画は
福島県浜通り地区全体で考えることだ
――渡辺利綱・大熊町長インタビュー

【第13回】 2012年3月15日
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福島第一原子力発電所の立地自治体である福島県大熊町。町民は会津若松市、郡山市、いわき市などで避難生活を送っている。しかし、将来の生活や仕事、子どもの教育がどうなるのか、先が見えず住民の不満はたまる一方だという。福島県の復興計画では県内の全原発を廃炉にする方針が決まっている。原発に地域振興を託してきた立地自治体としての思い、国に対して言いたいことなどを渡辺利綱・大熊町長に聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)

廃炉にどれだけの雇用が生まれるのか
そこまで担保して原発の方向性を決めてほしい

わたなべ・としつな/1947年生まれ。64歳。2007年より大熊町長。2011年11月、「みんなで戻って復興再生」を掲げて当選。現在2期目。

――福島県の復興計画で「県内全原発の廃炉」が決まっている。原発の立地自治体として、この1年の復興と今後をどう見ているか。

福島第一原発は1号機から4号機までは東京電力も廃炉にすると言っている。県の復興計画には、それ以外も廃炉にすると位置づけられた。これだけの被害を出したのだから当然だと思うが、もう少し地元の考えを聞いてほしかった。今後、気になるのは廃炉で何人の雇用が生まれるのかだ。

 「反原発」「脱原発」を声高に叫ぶ人がいるが、立地町の人間からすれば、そんなに簡単に言えることではない。私たちは、半世紀以上にわたって日本の経済成長に必要な電気を賄うため、国の方針に沿って原発のリスクを受け入れてきた。それは国全体の方針のなかで、どうしても発生してしまうリスクだ。そのリスクを引き受ける代わりに、さまざまな補助金と交付金を受け取ってきたし、新たな雇用を得た。

 こんなこと言うと、全国から「カネが欲しかったんだろう」「東電からカネもらってきたからそんなこと言うんだろう」とメールが来る。カネですべてを語ることはできないし、立地自治体のさまざまな事情がある。

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東日本大震災から1年。首都直下型地震をはじめ次なる巨大地震の可能性も示唆され、国民に不安が広がるなか、我々現役世代は何を為すべきか。それは東日本大震災から得た教訓を、次世代へと確実に引き継ぎ、活かすことではないだろうか。そしてその役割はこの1年間、着実に果たされてきたと言えるのか。各分野の専門家へのインタビューと現地取材を交えたレポートで検証する。

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