放送業界の規制緩和を促す放送制度改革を巡って、大手マスコミの言い分が迷走している。ああ言えばこう言う、といった具合で、自分たちの既得権益を守ろうという“下心”丸出しなのだ。(ノンフィクションライター 窪田順生)
言いたい放題で周囲は困惑
マスコミ幹部のモンスターぶり
突然だが、もしもみなさんの職場にこんな人がいたら、どう思われるだろうか。
職場を良くするためだと、とにかく人のミスや不正を見つけては言いふらす。口を開けば「職場のためにもっと言いたい放題言わせろ」と文句ばかり。ただ、時にデタラメを広め、無関係の人を傷つけるなどトラブルも続いたため、「自由もいいけど、少しは遠慮したら」と同僚たちがそっと諭した。
すると、その人は顔を真っ赤にして「言論の自由が侵害された!」と大激昂。その迫力に身の危険すら感じた周囲は、これまで以上に言いたい放題できるよう、職場内で最低限守るべしと定められていた「発言ルール」を取り払うと持ちかけた。
当然、飛び跳ねて大喜びするかと思いきや、なんとその人の怒りはさらにヒートアップ、発狂しそうな勢いで、耳を疑うような恫喝をまくしたてた。
「そんなことしたらデタラメを言うやつが増えるだろ!さては、俺を潰すための策略だな!」
完全なモンスター社員だと呆れる方も多いだろう。こんなのが現実にいたらサイコパスだよ、と冷笑する方もいるかもしれない。
だが、驚くなかれ、このような方たちが現実にちゃんと存在している。テレビ局や大手新聞社などの「マスコミ幹部」だ。