過去の候補者や企業の採用決定者、面談記録等のデータを分析していけば、どういう人がどんなプロセスを経て、最終的にどんな企業とマッチングされる可能性が高いかがわかり、打つべき手が見えてきます。こうした取り組みはすでに業界大手では実施していると思います。

 データサイエンティストはまだ人数が少ないので、自社のエンジニアで大学時代に統計学をやっていたような経歴の人を自社のデータ分析部門に入れて、育成するような動きもあります。こうした様子はインターネットの黎明期とよく似ています。ネット系の人材が欲しくても市場にいませんから、近い世界から可能性のある人たちを連れてきて仕事を任せていたのです。

経営者が「コンサルタント」を
採用したがる2つの理由

 もう一つ引き合いが強いのが「コンサルティングファームの出身者」、とくに「戦略コンサル出身者」です。全員とは言いませんが、優秀なコンサルタントは自分で情報を集めて分析し、仮説を立てて実行フェーズまで持っていくことができます。そうした「自走型の人材」を企業は強く求めています。

 AIだ、IOTだといって、一瞬にして既存の事業がそれらに仕事を奪われてしまうかもしれない時代のなか、「自分たちは生き残っていけるだろうか」と将来への強い不安を抱いていたり、事業の再構築の必要性を痛感していたりする企業、経営者は少なくありません。

 そんな状況下において、仮説を立てて時代の変化を予測し、先を見越して次の一手を打ちたいとも考えています。コンサル出身者人気の背景には、こうした経営者のニーズがあります。

 また、コンサルタント人気の理由には「コミットメント力の高さ」もあります。コンサルタントは成果ありきで働き、生ぬるい事業会社の社員ではあり得ないレベルで業務にコミットします。その背景には彼ら彼女らの給与水準の高さがあります。一流ファームなら年俸3000万円以上の人が珍しくありませんし、若手でも給与水準が非常に高い。それは顧客へのチャージの高さをも意味しています。

「私みたいな新人にお客様は毎月150万円支払っています。毎月150万円分のアウトプットを自分はしているだろうかと常に考えますし、すごいプレッシャーです」

 あるコンサルタントは、過去にそう話していました。そうやって培われた業務への姿勢も、経営者にとって魅力になっています。その給与水準の高さが一般的な事業会社がコンサル出身者を採用する際のネックにもなるわけですが、最近は事業会社でも以前よりは出すようになってきています。