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今週の音盤=心のビタミン ビジネス・パーソンのための音楽案内

【ストラヴィンスキー「春の祭典」】
初演は史上まれにみる大失敗
そしてリベンジした20世紀音楽の嚆矢

小栗勘太郎 [音楽愛好家]
【第26回】 2012年3月29日
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 いよいよ春が来ます。

 寒さの中に閉じ込められていた様々なものが、春の到来とともに表に出て来ます。

 地中深く眠っていた種子は、最初は密やかに、そして、ある瞬間一斉に芽吹いて来ます。鮮やかな生命の自己主張です。

 まさに春は、生命のチカラを実感する季節です。

 生命は、秩序だっている訳ではありません。猥雑で情け容赦なく、とても我がままです。他の種のことを気遣っていては、命の維持も種の保存もどうなるか分かりません。生命はそれぞれの勝手な都合で精一杯生きています。人間さまの都合で生きている訳でもありません。それでも、春は人々に喜びをもたらします。

 だから、太古の昔から、人間は、春の到来を祝してきました。時には、生々しいまでの祝祭もありました。

 という訳で、今週の音盤は、ストラヴィンスキー「春の祭典」です。

 「春の祭典」には、躍動感に溢れた生命の本質的な美しさが溢れています。

 此処では、西欧的伝統の殻は破られています。古典的な音楽秩序を超えた、自由な音楽が力強く響いています。ルネッサンス、バロック、古典派、ロマン派と脈々と続いてきたクラシック音楽に、不協和音と変拍子の大々的な導入によって根本的な断裂を刻んだ20世紀音楽の嚆矢です。

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小栗勘太郎 [音楽愛好家]

1958年生まれ、牡羊座のB型。某国立大学卒、米国滞在5年。公僕を生業とする音楽愛好家。著書は『音楽ダイアリーsideA』 『同sideB』(西日本新聞社)。『毎日フォーラム』誌にて「歴史の中の音楽」を連載中。


今週の音盤=心のビタミン ビジネス・パーソンのための音楽案内

ビジネス・パーソンは日夜、現場で闘って、日々、喜怒哀楽を感じる。実は音楽の現場も同じだ。だって、音楽もビジネスも、所詮、生身の人間が作る、極めて人間くさい営みだから。音楽には妙な薀蓄など不要かもしれないが、音楽が生まれる時には物語がある。それを知って聴けば、喜びが倍になり、悲しみが半分になるかもしれない。毎週1枚、心のビタミンになるような音盤を綴ります。

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