ビジネスシーンにおける「平等」とは

春は人事評価の季節でもあり、管理職にとっては極めて重要な仕事の一つです。部下を「平等」に扱いたいという思いは正しいのですが、その方法が間違っている管理職も少なくありません。管理職養成講座8回目では、評価の方法で失敗し、女性社員のやる気をそいでしまった課長のケースを見てみることにします。(MICA COCORO代表 産業カウンセラー 宮本実果)

女性の部下2人を
同時に昇格させたい課長

 大手メーカーに勤めるKさん(45歳・男性)は、今年の春から課長に昇格し、配属先の人材開発事業部において、特に人材マネジメントの成果を出したいと意気込んでいます。

 Kさんの課には男性社員4人と、女性社員2人がいます。このうち、女性社員は同じ36歳ですが、Aさんは独身でBさんには小学生の子どもが2人います。2人は同じ等級で、次回の昇格試験合格を目指しています。しかし昇格試験は、毎年半数以上が不合格になるほど、非常にハードルが高いものです。

 Kさんは、とにかく2人を同時に昇格させたいという思いがあり、2人それぞれと面談を行う事にしました。ところが、面談後、Aさんにはふに落ちないと思うことがあり、仕事に対するモチベーションが低下してしまいました。いったいK課長は何をしたのでしょうか?