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残業ゼロでも必ず結果を出す人のスピード仕事術
【第3回】 2012年4月18日
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植田 統 [弁護士、国際経営コンサルタント]

時間を上手にマネジメントする方法(3)

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世の多くのホワイトカラーは、平日はすべて会社のために捧げ、自由に使える時間がほとんどない人が多いようだ。でも、それでは体調の維持も、スキルの獲得や自分のやりたいこともできなくなってしまう。ぜひスピード仕事術を身につけて、何とか朝・夜1時間の自由時間を作り出す努力をしてみてほしい。そして、その時間を自分に投資するのである。

できることから片付ける

 これも時間を無駄にしないために重要な話だが、「できることから片付ける」ということだ。

 当たり前のことのように聞こえるが、実はこの当たり前のことをできる人が意外に少ない。全体の答えが見えてくるまで、何もアクションを起こさない人が多いのである。

 何でそうなってしまうのかと考えてみると、2つ理由があるような気がする。

 1つは、多くの人が途中までやっても、そこで終わってしまうのなら、途中までやること自体が無駄だと考えていること。

 たとえば、今日が月曜日で、金曜日までに「今期の営業計画を出せ」と課長から言われたとしよう。

 あなたは、「今期は、どの顧客を重点的に攻めようか」「どの顧客からいくら売上を上げようか」と考え始めるが、なかなか具体的な案がまとまらない。

 目先の仕事に追われ、水曜日、木曜日になってもこの状態だ。

 結局、金曜日に突入してしまう。

 課長に「考えがまとまらないので、月曜まで時間をください」と頼みこみ、週末家に持ち帰って営業計画書作りを始める。

 しかし、よくよく考えてみると、前期の売上実績を顧客別にブレークダウンしたデータが欲しくなる。それを分析していけば、どの顧客でどれぐらいの売上が立つかが予想できそうだ。

 ところが、週末は会社には入れないから、月曜まで待たないとこのデータも入手することができない。

 こうして、月曜の朝早く行って、データを集めることになり、月曜午前中いっぱいかけて、なんとか営業計画書をまとめる。

 先週の月曜日に営業計画書の提出を命じられたときに、すぐ前期のデータを集めておけばよかったのに、これをさぼっていたから、こんなことになってしまうのである。 

仕事は構成要素に分割し、できることから着手する

 できることをやらないもう1つの理由は、多くの人が、仕事が不可分だと考え、仕事のコンポーネント(構成要素)に分解して考えていないことだ。

 これは、今の営業計画を例に使って説明すると、まず前期の営業結果のレビューから入り、そのあと、自社の新製品の投入計画、自分の受け持ち顧客のニーズを考えて、今期営業計画を練るのが普通のやり方だろう。

 となると、まず前期の営業計画のデータを集め、どんな製品がどの顧客に売れたかのレビューをやる。

 それと同時に、自社の新製品の計画についての情報もとる。自分の担当顧客のニーズは、その顧客の製品の入れ替えのサイクルや、予算の増減を分析して考えることになるから、その情報もすぐに集めるべきだろう。

 こうやって、仕事をいくつかの構成要素に分けていけば、それぞれの仕事を同時並行的に進めていくことができる。

 ところが、多くの人は、何となく「今期はどの顧客にいくら売ろうか」と漠然と考えて、A社に××万円、B社に××万円ということばかり考えてしまう。

 こんなことをしていると時間内に結果にたどりつけないだけでなく、結果にたどりついたとしても、その結果は自分の頭の中だけで作っているから、課長が結果を見ても、どうやってそれができてきたのか、その根拠が何かがわからない。

 できることからやらなかった経験は、多くの読者の皆さんが小学生だった頃に持っているだろう。

 夏休みに宿題が出たが、遊び呆けていて、全然やらない。母親から「早くやりなさい」と言われても、全然やっていないから、あまりの量にやる気がうせてやる気にならない。

 8月20日を過ぎてから、お尻に火がついて宿題に取り組み始める。自分1人では間に合わないから、母親にも手伝ってもらい、なんとか、やっつけ仕事で9月1日までに終わらせる。

 夏休みに入ったら、1日1日少しずつやっていけばいいのにそれができない。しばらくやらないで多少宿題が溜まってきても、できるところだけでもやっておけばいいのに、それもやっていない。宿題帳が返ってくると、中身は間違いだらけ。

 構成要素に分割して考え、できることからやっていくのは、仕事を早く終わらせる基本中の基本なのである。

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植田 統 [弁護士、国際経営コンサルタント]

1957年生まれ。81年東大法学部卒。ダートマス大学経営大学院にてMBA取得。成蹊大学にて法務博士取得。東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)、ブーズ・アレン・ハミルトン、データベース会社のレクシスネクシス・ジャパン代表取締役などを経て、世界最大の企業再生専門ファームであるアリックスパートナーズ シニアディレクター。アリックスパートナーズでは、JALやライブドアの企業再生などを担当。著書に『45歳からの会社人生に不安を感じたら読む本』『企業再生7つの法則』(日本経済新聞出版社)。共著に『企業再生プロフェッョナル』(日本経済新聞出版社)、『マーケット・ドライビング戦略』(東洋経済新報社)がある。


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